鍼灸マッサージ師のテレワークの可能性

コロナ禍の働き方として、テレワークが急速に普及しました。

とはいえ、直接現場に行かないとできない仕事や(建築・工事、機器の点検など)人と接する仕事(お店、医療、介護)など、テレワークができない業種もたくさんあります。

今回は、鍼灸マッサージ師のテレワークの可能性を考えてみたいと思います。

 

 

まず、鍼灸マッサージという施術行為は相手の体に直接行うものなので、基本的にはテレワークは難しそうです。

ただ、コロナが心配で来院できなかったり、家族が濃厚接触者になっていて外出が難しいといった状況の場合、体の痛みやつらさを少しでも楽にするために、パソコンや携帯を使って画面上でやりとりすることはできそうです。

また、患者さんが入院中だったり、遠方に引っ越してしまい伺うことができないけれど体のことを相談したい、といった場合でも対応できるかもしれません。

 

 

具体的には、以下のようなことができると考えています。

・パソコンや携帯の画面越しで、体の痛みの状況や動きを確認し、患者さんができそうなストレッチや動かし方を助言

・体の反応が出ていそうな場所を、声掛けしながら患者さんご自身に触ってもらい、その場所に印をつけて、指で押さえたり、セルフ灸をしていただく

・心配していることや不安に思っていることを確認し、日常生活で気を付けること、やらない方がいいことなどを助言

 

 

ただ、これはまだ信頼関係がない初診の患者さんには難しいと思いますし、料金を頂戴するかどうかも悩ましいところです。

そのため、鍼灸マッサージ師がテレワークという働き方で生計を立てることは難しそうです。

来院できない状況の場合は、無料相談として助言を行うことで、患者さんとの関係性を継続しつつ信頼関係を高め、来院できるようになったら施術をして料金を頂戴するという形がしっくりくるような気がします。(相談時間を長くしたり、体操・ストレッチなどもうまく取り入れて効果が出せれば有料化もできるかもしれませんが…)

 

 

私の今までの経験では、当院にかかっていた方が入院することになった際、心配していることや不安に思っていることを電話やメールで伺うというやり方で何人かとやりとりしたことがあります。(料金は頂戴しておりません)

料金を頂戴する行為だけが仕事というわけではなく、無料相談の結果が今後の関係性に繋がったり、別の患者さんをご紹介頂けたりすることもあると考えています。

鍼灸マッサージ師のテレワークについてまとめると、来院できない場合にお話を聴いたり、助言したりすることはできますが、基本的にはテレワークだけで業務を続けたり生計を立てることは難しいと考えます。

ただ、将来的に新たなパンデミックや災害などが起こる可能性もあるので、どんな働き方ができるか考え続けたいと思います。

 

 

当院のコロナの影響

2020年1月頃から、日本でも新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)が広がり始めて多くの業種に多大な影響を及ぼしました。

そんな中、患者さんから

「コロナの影響はありましたか?」

と聞かれることがよくありますので、当院でのコロナの影響を考えてみたいと思います。

 

 

実は、当院ではコロナの影響がどの程度あったかは、よく分からないというのが正直なところです。

当院が開院したのが2019年6月で、開院して半年くらいの2020年1月頃からコロナが発生しました。

開院当初は患者さんも少なかったのですが、少しずつ地域の皆様に認識され始めて、患者さんが増えてきた時期でした。

 

 

最初に緊急事態宣言が発出された2020年4月~5月にかけては、一時的に患者さんは減少しましたが、開院当初よりは増加しており、緊急事態宣言が解除されてからは、患者さんは増えていきました。

そのため、当院のようにコロナが始まった時点で開院一年未満のお店は、どの程度コロナの影響があったかはよく分からないのではないかと思います。

 

 

ただ、コロナが発生したことで、開院当初と比べて以下のような変化がありました。

・テレワークの増加により、平日の日中時間帯の30代~50代の患者さんが増えた

・訪問施術を行っていた患者さんについて、コロナを懸念して訪問がキャンセルになり、その後も依頼が減った

若い世代の患者さんが増えた反面、コロナを心配した高齢の患者さんはやや減少しました。

また、保育園が休みになって子どもを見ていないといけない、濃厚接触者になってしまった、緊急事態宣言中は移動を避けたい、ワクチンの副反応で体調不良、といった理由でのキャンセルは度々ありました。

それでも、2020年、2021年と多くの方にご来院下さり、おかげさまで2022年6月で開院三周年を迎えることができました。

 

 

コロナ禍において、当院を利用して下さった患者さんからは以下のようなご意見を頂きました。

 

・施術室が個室になっているので利用しやすかった

→他院は仕切りがなかったり、カーテンだけで仕切られていて隣の声が聞こえるようです

 

・予約優先で他の患者さんと重なることがなかったので、コロナのリスクが少ないと思った

→待合室に患者さんが密集していて、利用しにくい場所もあったようです

 

・院内に清潔感があり、換気や空気清浄機による対策が行われてたのがよかった

→開院してそれほど年数が経っていないこともありきれいだったのと、感染対策をしっかりしていたのがよかったようです

 

 

以上のことから、コロナの影響は多少はありましたが、それほど大きくなかったと考えております。

鍼灸マッサージという国家資格を保有して業務を行う施設は「社会生活を維持する上で必要な施設」として、緊急事態宣言中でも営業を継続することができていたことは本当にありがたいことでした。

今後も患者さんのお役に立ちながら5年、10年と継続できるよう励んで参りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

患者さんの困りごとにきちんと向き合う

先日、訪問マッサージに伺っている患者さんから、

「シルバーカーが動かなくなった」

という話を聴きました。

 

 

こちらの患者さんは90代なのですが、シルバーカーを使うことで、なんとか近所に買い物に行くことができます。

患者さんが言うには、コードがぶらぶらしていて、使えなくなったとのことでした。

施術後に見せて頂きました。

その結果、、、

シルバーカーがたたんであるだけということが分かりました。

おそらく、ご家族がたたんで端に置いたのだと思いますが、壊れていなくてよかったです。

患者さんに、たたんであること、それを広げる方法をお伝えし、無事に?使えるようになりました。

 

 

些細なことですが、普段とちょっと違うことがあると、困ってしまうのですね。

シルバーカーが使えないと、外出する意欲もなくなってしまうので、たんに患者さんのマッサージを行うというだけでなく、患者さんが困っていることをきちんと伺うことが大切だと改めて思いました。

鍼灸マッサージをすることはただの手段であるということを認識し、患者さんやそのご家族の困りごとにきちんと向き合う姿勢をこれからも大事にしていきたいです。

 

 

訪問マッサージの際のちょっとした頼まれごと

私は訪問マッサージもやっています。

ご年配の一人暮らしの方の家に伺うこともよくあります。

 

 

お伺いすると、マッサージ以外のことをお願いされるケースも時々あります。

・パソコンのエクセルの操作でできないことがある

・パソコンでローマ字入力、数字入力ができなくなった

・プリンタが紙詰まりを起こしてしまった

・ビンの蓋が固くて開けられなくて困っている

・届いた宅配物が重いので、2階に運んでほしい

・高いところのものを取ってほしい

などなど。

 

 

どれも本当にちょっとしたことなのですが、それができなくて困っているのです。

お願いされるのは、

「信頼関係ができていて頼みやすい」

からだと思っているので、頼まれたら喜んで対応します。
(もちろん重要な書類や金銭に関わるような頼み事はお断りいたしますが)

 

 

こうしたちょっとした対応をして喜んでいただくことで、さらに信頼関係が高まり、施術へもよい影響を与えると考えています。

これから人口の多い団塊の世代の方が後期高齢者となり、ご年配の一人暮らしの方が益々増えていくと思います。

そんな時、身近にちょっとした頼み事ができる人がいると安心できるのかなと考えています。

 

 

明朗会計にしています

ホームページを見て当院にいらした患者さんに、

「どんなところが良いと思っていらっしゃいましたか?」

と伺った際、何人かの患者さんから理由の一つとして

「料金がはっきりしていたから」

「明朗会計だったから」

と言われたことがあります。

 



そんな患者さんの話を伺うと、以下のようなことをおっしゃっていました。

・施術メニューが細かく分かれていて、どのコースを選べばよいのかよく分からない

・施術の途中でやることが追加されて最終的に料金が変わった

・久々に伺ったら何も言われずに再診料をとられた

・テーピングや置き鍼(皮内鍼)が必要かも分からないままされて、追加料金をとられた

また、はり・きゅうが初めてで、この症状が少しでも良くなるならやってみたいけれど、追加で料金がかかると試してみることも躊躇してしまうという話も聞いたことがあります。

 



当院では、以下の3つの施術メニューに絞りました。

①2,500円(20分~25分)
②4,500円(40分~50分)
③7,500円(70分~80分)

料金に不安をもたないよう、はり、きゅう、マッサージ、どの施術を併用しても追加料金は頂いておりません。

テーピングや置き鍼(皮内鍼)も料金に含まれています。

 



患者さんの困っていることを伺いながらお体を拝見し、施術前にどんな状態で、今日はどのメニューがよいか患者さんと相談して決めています。

料金を明確にすることで、少しでも患者さんに安心感をもって施術を受けて頂ければ嬉しいです。