もし会社員の給料の一部がキャッシュレス決済だったら

以前、キャッシュレス決済について当院で導入しない理由を書きました。

ブログ:キャッシュレス決済について
https://nishigahara4-harikyu.com/blog/cashless-payment/

 

今回はキャッシュレス決済について、別の視点から書いてみます。

最近、キャッシュレス決済をやめるお店や、やっているけど現金でお願いするお店が出てきています。

参考サイト:YAHOO!ニュース

手数料負担が影響 キャッシュレス決済を終了するスーパーも
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1ed45b8f9c3826bbedecd270a67f410e2d92797

ファミマ、キャッシュレス決済の手数料負担は「極めて大きい」 話題のレジ掲示は本部主導…背景を聞いた
https://news.yahoo.co.jp/articles/487058e1a1a6c2033a584c9c4677143310643b78

 


以前に患者さんから、

「買い物したお店で、キャッシュレスも使えるができれば現金で支払いをお願いしたいと言われたのですが、何か理由があるのですかね?」

と聞かれたことがあります。

キャッシュレス決済のお店側のデメリットを知らない消費者の方もいらっしゃるので、今回は会社員の手取り額を例に説明します。

 

 

(例)あなたの給料の手取り額が30万円、その内キャッシュレスの収入が20万円、キャッシュレス決済の手数料率が4%のケース

※ 手数料率は業種や事業規模で異なり、複数の決済手段が使える場合3~4%が多いようですが、今回は計算しやすいように4%にしました

・毎月手取り額からキャッシュレス収入20万円の4%の8000円が引かれ、19万2000円になります

・この19万2000円を受け取るためには、専用の機器を準備する必要があります

・手取り額の内、現金分の10万円は毎月25日に支給されます

・残りのキャッシュレス分の19万2000円は以下の日程で支給されます

 8万円は今月末
 7万円は翌月15日
 4万2千円は翌月末

・今は手数料が4%ですが、社会情勢によって上がるかもしれません
 その場合、手取り額の交渉は自分で行って下さい

お店をやっている立場からするとこんなイメージになります。

毎月一定額が手数料として引かれ、キャッシュレス収入分の受け取り日はバラバラで、さらに手数料は業者側の都合で突然上げられることもある。

 

 

物やサービスの値段が高額のお店や、決済手数料が安い他店舗展開しているお店、外国人のお客様が多いお店などは、現金がなくても買い物できるキャッシュレス決済のメリットは多々あると思いますが、キャッシュレス決済のメリットが少ない小さいお店の場合は、デメリットの方が大きいのです。

今回は、会社員の手取り額の一部がキャッシュレス収入だった場合を例に、キャッシュレス決済のデメリットを書いてみました。

あえて現金のみにしている小さいお店の事情も分かっていただけると嬉しいです。

参考サイト:

私が「キャッシュレス」を辞めたワケ。
https://note.com/manab_us/n/n822bebb1b752

ホームページについて考えていること

どこかのお店を調べたり、何かの情報を得たい場合、よくホームページを見ることがあると思います。

ホームページは

「当店はこんなお店です」

ということを伝える重要な宣伝媒体の一つとであり、それがきっかけでお店に行ってみようと思うことも多いです。

営業部がない小さいお店では、ホームページがお店の顔になっていると言ってもよいと思います。

 

 

当院にいらして下さった方からも

 

「丁寧にお店の情報が書いてあって分かりやすかったです」

「日曜日に営業しているところが少なくて、ホームページで探して来院しました」

「業者がつくった感じがなく、自分の言葉で伝えている感じがしてよいと思いました」

「ホームページの写真で先生が恐くなさそうだったから」

 

といったように、ホームページを見たことがきっかけで来院される方もたくさんいらっしゃいます。

ところが、気になるお店のホームページを見ると、営業日の案内が過去の日付になっていたり、ブログも過去の日付で止まっていたりと、更新が行われていないことが結構多いのです。

ホームページが更新されていないと、「このお店は営業しているのかな?」と不安になり、来店を考えてしまいます。

また、商品やサービスの料金、営業時間などが、実態とホームページの内容とで異なっている場合、苦情や来院しなくなることにもつながると思います。

 

 

ホームページは一度作成して終わりではなく、日々の営業状況の更新、新たな情報の追加、料金や営業日の見直しなど、更新すべきことがたくさんあります。

当院でも、料金の見直しや予約の補足説明、新たに取得した資格の追加、来院される患者さんの症状の追加、患者さんに質問されたことの追加説明、ブログの作成など、日々更新して最新の状況が分かるように努めています。

最近ではホームページを作らず、XやインスタグラムなどのSNSで宣伝したり、Googleやホットペッパー、エキテン、食べログなど、他の大手サイトに情報が掲載されているだけのところも増えてきました。

個人的には、やはりホームページがあった方が、お店の全体の雰囲気や印象が伝わりやすく、信頼や安心感につながりやすいと考えています。

今回はホームページに関して思っていることを書いてみました。

ホームページを作成したからには、日々メンテナンスして、最新の状況をお伝えしつつ、来院のきっかけになるような信頼感や安心感のもてるものにしていきたいです。

 

回数券について考えていること

今回は「回数券」について書きます。

回数券は何回も利用する人のために、使用期限を定めて1回あたりの料金を割り引いて、数回分をまとめて販売するものです。

乗車券、入場券、飲食券などの形で、公共交通機関、美容サロン、レジャー施設、フィットネスクラブ、飲食店など多くの業種で使用されています。

特に電車やバスなどで多く使われていましたが、回数券の利用減少や交通系ICカードの利用増加に伴い、現在では廃止されるところが増えているようです。

鍼灸院やマッサージ院、整骨院など、施術を行う業界でも回数券を導入しているところもあります。

 

 

回数券を導入することで、

・お店側はまとまったお金が手に入る

・患者さん側は1回あたりの施術を割り引いた料金で受けられる

といったメリットがあります。

一方、

・事故や病気で入院をすることになった場合、有効期限内に使えない可能性がある

・通う必要がなくなって、使わなくなっても返金できなかったり、返金できても損をする可能性がある

・気に入った施術者がいたから通っていたのに、その施術者がやめてしまった

などのデメリットも考えられます。

当院でも何度か患者さんに

「回数券はありますか?」

と聞かれたことがありますが、当院では回数券を導入していません。

回数券を導入しないのには、大きく2つの理由があります。

 

 

①個人事業でやっているから

個人事業でやっていると、私が病気になったり、怪我ををした場合、一定期間営業ができなくなる可能性があります。
(最悪の場合はそのまま廃業する可能性も考えられます)

その場合、「せっかく回数券を購入したに使えなかった」と患者さんに不利益が発生することが考えられます。

脱毛やエステサロンでも、高額契約をしたあとに倒産、といったトラブルも増えているようです。

参考サイト:脱毛エステ「今日なら安くなる」と言われ…高額契約後に倒産も、トラブル急増
https://www.yomiuri.co.jp/national/20230207-OYT1T50071/

近年ではスーパーが予告なく閉店し独自の電子マネーのお金が戻らなかったというニュースもありました。

参考サイト:MONEYIZM 「電子マネー」にチャージしていた店が突然閉店残金は返金されるのか?
https://www.all-senmonka.jp/moneyizm/news/76719/

電子マネーと回数券、種類は違いますが、前払いしておくこと、割引などの何かしらの特典があることは共通しています。

個人事業でやっていると営業できなくなるリスクもあるため、できるだけ患者さんに迷惑をかけたくないと考えています。

 

②予約がとれないと不信感につながるから

お店を続けていると、日によっては予約枠がいっぱいになる日もあります。

もし回数券を購入している患者さんが予約をしようとした際、

「本日は予約がいっぱいで受けられません」

ということが何度かあったら、どう思うでしょうか?

回数券だけ売りつけて予約を取れないようにしているのではないかと不信感をもつと思います。

個人事業でやっているので、1日に施術できる人数には限りがありますし、年末や長期連休の終盤など混みあう時期は数日にわたって予約枠がいっぱいになることもあります。

公共交通機関やホテル、映画館など席がいっぱいあったり、飲食店など順番を待てばよい業種なら問題ないですが、小規模店の場合には回数券を買っても予約できないケースが考えられます。

患者さんに不信感をもたれたら、信頼関係がなくなってしまうと思います。

 


ちなみに、私は都電荒川線に乗るときには1000円の回数券を購入しています。

参考サイト:東京都交通局 お得な乗車券
https://www.kotsu.metro.tokyo.jp/toden/fare/otoku_kaisuken.html

東京都が運営しているものなので、倒産や廃業のリスクは極めて小さく、もし回数券をやめる場合にもきちんと廃止期限が通知されるだろうと考えているからです。

有効期限もないので、もし私自身が使えなくなっても、他の人に使ってもらってもよいとも考えています。

 

 

このように、回数券を有効活用できるケースもあるとは思いますが、個人事業でやっている鍼灸マッサージ院には回数券は合わないと考えています。


今回は回数券について私が考えていることを書いてみました。

当院では回数券は導入しませんが、回数券が利用しやすい業種や規模があると思いますので、上手に利用していただくのがよいと思います。

 

院内の蛍光灯をLED照明に取り替えました

先日、院内の蛍光灯をLED照明に取り替える工事を行いました。

当院は、2019年6月の開業時に内装工事を行っており、施術を行う個室の方は明るさが調整できるLED照明にしましたが、受付や待合スペース、バックヤードスペースなどの照明は既存設備を流用していたため、蛍光灯のままでした。

環境省の資料によると、2023年11月の「水銀に関する水俣条約 第5回締約国会議」において、一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入を、2027年までに段階的に廃止することが決定されたそうです。

そのため、今後は蛍光灯を購入できなくなるのです。

引用サイト:環境省 「一般照明用の蛍光ランプの製造・輸出入は 2027 年までに廃止されます」
https://www.env.go.jp/content/000200659.pdf

 

【取り替え前】(蛍光灯)

 

こうした流れを受けて、各自治体においても、蛍光灯をLED照明に切り替えるための助成金を出しているところもあります。

東京都北区でもLED照明器具・LED誘導灯器具に助成金を出していたので、こうした制度も利用しました。

参考サイト:北区 「再生可能エネルギー及び省エネルギー機器等導入助成(令和6年度)」
https://www.city.kita.tokyo.jp/kankyo/jutaku/kankyo/hojo/energy/jose-info.html

 

ちなみに、LED照明にすることで寿命が長く消費電力が少ないため電気代が安くなるというメリットがある反面、初期導入コストが高く均一に光が届きにくいというデメリットもあるようです。

参考サイト:

環境省「LED照明器具の導入」
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/gel/ghg-guideline/search/pdf/01_215.pdf

エネチェンジ 「LED照明(電球・蛍光灯)のメリット・デメリットとは?本当にお得になる?」
https://enechange.jp/articles/led-lighting-2

 

 

蛍光灯をLED照明に替えることは、今後もお店を長く続けていくうえで必要な対応だと思います。

まだ蛍光灯を使っている方はお早めにLED照明への交換を検討するのがおすすめです。

 

【取り替え後】(LED照明)

昔と変化してきた衛生観念を考える

現在は昔と比べると、様々な衛生観念が変化しています。

当院を開業する際にも、衛生観念についてどうするか色々考えました。

そこで、今回は昔と変化してきた衛生観念について書いていきます。

 

◆院内は土足かスリッパか

病院や歯科医院において、昔はスリッパに履き替えるのが一般的だったのが、今は土足のところが増えているようです。

人が使ったスリッパを使うのは不衛生、靴の履き間違えがある、足が不自由な人は脱ぎ履きが大変、など様々な理由があるようです。

参考サイト:
CLIUS クリニック開業マガジン:クリニックの院内は土足とスリッパどちらにすべき?
https://clius.jp/mag/2022/09/05/clinic-dosoku-slippa/

 

 

当院でも開業の際、どうするか考えましたが、最終的には「土足」にしました。

その理由は以下の通りです。

 

・鍼灸マッサージを受ける方は足が不自由だったり、膝が痛い方も多く、入口で脱ぎ履きするのは大変

・スリッパは踵が固定されておらず、脱げそうになると転倒リスクがある

・ベッドがある部屋でイスに座って靴の脱ぎ履きができた方が安全

 

土足だと雨が降った時に院内が汚れるという考えもありますが、汚れにくい素材を使ったり、入口にマットを複数置いたり、こまめに掃除をすればよいと考えました。

患者さんができるだけ安全・快適に過ごすにはどうしたらよいかを考えての結論でした。

 


◆トイレに便座カバーをつけるか、つけないか

昔は座ったときに冷たさを感じないよう、また見栄えがよいので、便座カバーが付いているトイレが多かったと思います。

今は、ウォシュレット便座だと電気で温まりますので、冷たさは感じなくなりました。

むしろ、便座カバーが何かしらの理由で濡れてしまったときに、取り外しや交換が大変です。

便座カバーがなければ除菌シートで拭くだけで対応できます。

当院はウォシュレット便座を導入しているので、便座カバーは付けていません。

 

 

◆トイレの手拭きは布タオルか、ペーパータオルか、ハンドドライヤーか

昔はお店でも、トイレに布タオルがぶら下がっているところが多かったと思いますが、今ではほとんど見かけません。

やはり、人が使ったタオルや、濡れているものを触るのは不衛生と考えているのだと思います。

当院では、ペーパータオルを導入しています。

使い捨てですし、ハンドドライヤーよりも手軽で衛生面に優れていると考えています。

参考サイト:
衛生基準を高く保ちたい飲食業界・医療業界必見!トイレで使うのは、ハンドペーパー?ハンドエアドライヤー?ハンカチ?一番衛生的な方法とは?
https://tubeless.co.jp/%E8%A1%9B%E7%94%9F%E5%9F%BA%E6%BA%96%E3%82%92%E9%AB%98%E3%81%8F%E4%BF%9D%E3%81%A1%E3%81%9F%E3%81%84%E9%A3%B2%E9%A3%9F%E6%A5%AD%E7%95%8C%E3%83%BB%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%A5%AD%E7%95%8C%E5%BF%85%E8%A6%8B/

 


今回は、昔と現代での衛生観念の変化について書いてみました。

これから先の時代も、衛生観念は変化していくと思いますが、その都度どうすべきか考えて、対応していきたいと思います。