NYに挑んだ1000人が教えてくれた8つの成功法則

NYに挑んだ1000人が教えてくれた8つの成功法則
高橋 克明 (著)

ニューヨークを訪れる日本のトップランナーたちに生き様や本音を語ってもらう企画を経て、1000人の成功者たちの言葉をいくつかの法則としてまとめた一冊です。

・人の話は聞かない
・自分の弱さから逃げない
・根拠なき自信をもつ
・今日だけを生きる
・空気を読むのをやめる
・仕事人間になる
・誰かのために生きる
・世界に出る

 

 

どれが正しいわけではなく、もちろん万人に向けた成功法則なんてなくて、自分だけの成功法則を見つけるという言葉は胸に響きました。

万人に向けた法則はありませんでしたが、この書籍に載っている方々の共通点をあげるとすれば、誰もが挑戦者であるということだと思います。

何か新しいことをやってみたい、誰もやったことがないことをやってみたい、日本ではなく世界でやってみたい。

その好奇心で自分の仕事を心から愛しチャレンジしていく姿は応援したくなります。

 

 

元プロレスラーの天龍源一郎氏の言葉が特に印象に残っています。

「みんな明日の話になると、目をキラキラさせるよね。こういう資格をとりたいとか、これくらいの年収を稼ぎたいとか。でも、そういう奴に限って、今日の話をしないんだよね。明日の自分は、今日の自分の延長のはずなのに、どうして今日できない奴が明日できる奴になっていると思えるのか。今日を生き抜いたら、明日は勝手にやってくるよ」

まずは今日を精一杯生きることから始めたいと思います。

 

財布は踊る

財布は踊る
原田 ひ香 (著)

今より少し贅沢な暮らしをしたい、普通の暮らしがしたい、とお金に悩む若い男女の様々な生き方を取り上げた経済小説です。

こつこつ節約して貯めたお金でハワイへ行き、十万円のルイ・ヴィトンの財布を購入した主婦の葉月みづほ。

色々な事情からこの財布が次々と人の手に渡っていくのですが、果たして最後はどこに行くのか読み応えがありました。

 

 

携帯を購入する際に何気なく作ったクレジットカードのリボ払いによる借金、親の離婚、大学の奨学金返済、安易な株式投資など、お金に苦労する理由は人それぞれですが、皆がどうやって今の状況から抜け出すか必死に考えていて勉強になりました。

楽して稼ぎたい、誰かを出し抜きたい、周りから認められたいという理由の場合、甘い罠に誘われて危険な目にあったり、痛い思いをすることが多く、やはり堅実に働いて地道にお金を稼ぐしかないと考えさせられます。

 

 

本書に出ているDIYや不動産投資による方法でうまくいくこともあるし、逆に一度成功しても飽きられてしまい長続きしないこともあります。

お金を稼ぐことができても、それが幸せに繋がるとも言えないのがまた難しいところでもあると思います。

お金と幸せな生き方について色々と考えさせられる話でした。

 

だいたい人間関係で悩まされる

だいたい人間関係で悩まされる #なんで僕に聞くんだろう
幡野 広志 著

唯一無二の人生相談の第三弾で最終回です。(第一弾、第二弾の感想は以下を参照)

<第一弾>
なんで僕に聞くんだろう。
https://nishigahara4-harikyu.com/blog/whyaskme/

<第二弾>
他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。
https://nishigahara4-harikyu.com/blog/whyaskme2/

 

今回も相談者に対して、共感を示したり、厳しく戒めたり、そっと背中を押したり、その後の人生の糧になるような丁寧な言葉が紡がれていて心が温まる内容でした。

 

 

・親って自分の苦しさには敏感なんだけど、子どもの苦しさには鈍感なんだ。親子関係に限らず、みんな自分の苦しさには敏感で、他人の苦しさには鈍感。自分の悩みはおおごとだけど、他人の悩みは他人事でしょ

・実績や価値観をどんどん更新していくのが成長。若いうちは自分を天才だと思ったり、なんでもできてしまうと勘違いをしてしまうんだけど、その勘違いすらもチケットにしてどんどん挑戦をした方がいいと思う

・勇気って失敗をする勇気だと思うよ。絶対に失敗が許されないのなら、挑戦なんて不可能。失敗することを織り込んで、挑戦をしたりリトライをした方がずっといい

 

 

その中でも特に、本書の「はじめに」と「最終回」がとても印象に残っています。

「はじめに」では寄り添うことについて書かれていました。

寄り添うというのは、相手の感情に付き合うこと。相手の怒りや悲しみ、喜びや楽しさなどの感動に付き合うことだという言葉。

がん患者の幡野さんは、幡野さんに寄り添おうとしてくれた人たちは、自分の不安を解消するために幡野さんを寄り添わせていたと感じていたという事実。

この言葉を聴いて、自分が本当に相手に寄り添うことができていたか考えさせられました。

 

 

「最終回」では、「何で人は生きるんですか?」という問いに対して、「しあわせになるために生きてる」と答えています。

でも、しあわせの価値観は人それぞれで、誰かのしあわせの価値観を押し付けられると不幸が始まる。

人の目を気にせず、自分のしあわせを人に委託しないで、自分のしあわせを大切にする。

そんな幡野さんの優しい言葉に胸が熱くなりました。

 

そのオモチャ、本当に買ってあげていいの

そのオモチャ、本当に買ってあげていいの?
ガリー・バフォン (著), 遠藤 公美恵 (翻訳)

間違ったお金の与えられ方や物質的な豊かさによって、行動や性格がゆがめられてしまい、生きていくための重要な能力が損なわれてしまう「シルバースプーン症候群」について書かれた書籍です。

 

 

著者はアメリカの方ですが、本書の内容は日本人にも当てはまると思います。

モノに満たされてほしいものは何でも手に入る豊かな暮らしが、本当に子どもの幸せに繋がるのか、興味深い内容でした。

現代社会は少子化が進み、共働きで忙しい家庭が多いため、子どもはほしいモノがあれば何でも買ってもらえる時代になりました。

子どもの成長のために愛情と時間を使うことが難しくなっている現代社会において、モノを買い与えることでまぎらわせた弊害が、我慢ができずやる気や意欲がなく、金銭管理もできない子どもにしてしまうということがよく分かりました。

昨今問題になっている炎上動画も、自尊心が欠落した子どもが成長して起こしたことで、こういった考え方が影響しているのではないかと思います。

 

 

このシルバースプーン症候群の処方箋として、

・必要以上にモノを与えない(必要性の法則)

・モノではなく愛情を与える(愛情の法則)

・努力して手に入れさせる(平等の法則)

・金銭管理のスキルを身に付けさせる(金銭教育の法則)

・親が身をもって示す(模範の法則)

と、問題に対する具体的な対応が解説されていたのもよかったです。

 

 

さらに、もっとも大切な原則として、

・子どもの、あるいは親の物欲を満たすことよりも、子どもの心を満たすことを優先する

という考え方はとても共感できました。

子育ての目的が

「自分の力で人生を歩んでいくすべを身につける手助けをすること」

だとすれば、親は子どもに様々な経験や失敗をさせて、逆境に立ち向かったり、我慢したりする能力を身に付けさせることが親の大事な仕事だと思います。

 

 

・必要不可欠な「要求」と際限のない「欲求」は区別しなければならず、必要以上の贅沢品は制限する

・一緒に過ごしたり、学んだり、考えたり、安心感を与える環境が必要

・あえて手を貸さないことで自分でがんばる力を育む

という内容も勉強になりました。

子どもがいる・いないに関わらず、多くの大人に読んでほしい一冊でした。

 

 

後継者の仕事 進化の時代に必要な「経営のあり方と戦略」

後継者の仕事 進化の時代に必要な「経営のあり方と戦略」
次世代の事業継承研究会 赤岩 茂 (著), 藤井 正隆 (著), 坂本 光司 (監修)

まず、本書のまえがきに書かれている内容から、後継者不足の危機感が伝わってきます。

経済センサス(2016年)によると、わが国の企業数は、大企業・中小企業を含め385万社ある。ちなみに、10年前の2006年の統計を見ると、420万社であり、また15年前の2001年の統計では469万社であった。

この10年間では35万社、毎年3万~5万もの企業が減少していて、その要因の75パーセントが倒産ではなく、休廃業によるものであるということ。

さらに、近年の休廃業企業の業績は、その半数が黒字であるということ。

休廃業の多発により経済の活力が失われていくことが懸念される現代において、企業の経営者、後継者はどのようなことを考える必要があるのかが分かりやすくまとめられていました。

 

 

経営のあり方は時代とともに変わっていきますが、それを考えず昔からのやり方をただ踏襲するだけでは企業経営はうまくいかないということが本書を読むとよく分かります。

昭和の時代は高度経済成長期で、ものを作れば売れて給料もどんどん上がっていく。
年功序列、終身雇用で夜遅くまで長時間労働も苦にせず働いてきた時代。

平成の時代はバブル崩壊後の不況で、企業の売上・利益が頭打ちとなった。
成果主義が導入され、短時間で効率よく仕事をすることが求められた時代。

そして現在の令和。ワークライフバランス、働き方改革などが叫ばれ、ダイバーシティ(多様性)が認められるようになり、生活環境や価値観が違う人たちを受け入れるようになってきた時代。

 

 

こういった時代や働き方の変化に合わせて、後継者は経営やマネジメントをしていかなければならないという解説は共感できました。

経営の究極の目的は「永続させること」ではなく、社員をはじめとする関係者の幸せの追求であるべきです。

ただ、永続しなければ、社員とその家族が路頭に迷い、不幸せになってしまうから永続することが重要であり、いかに永続できる企業をつくっていくか、経営者と後継者の真価が問われると思います。

 

 

以下、印象に残った内容を抜粋しました。

・生成発展していない企業の経営者は、世の中のことをあまり考えていない。去年と同じ仕事、昨日と同じ仕事、場合によっては10年前と同じ仕事をただ繰り返しているだけ。経営者は外部環境をきっちり把握し、なおかつ内部環境、自社の強み弱みを知りながら、進むべき道を考えていかなければならない。

・人間にとっての幸福は、成長と貢献が両立した状態。成長は、昨日より今日、去年より今年、つまり生まれたときより現在の方が精神的に向上していること。そして向上し続けながら社会のお役に立つ。これが貢献で、人の役に立つという至福の瞬間を得た人は、どんなことがあってもこの仕事を辞めないと考える。

・中小企業のマーケティングの基本は「泥臭く」。具体的には、ブログを毎日書き続けられるか、SNSを毎日更新し続けられるか、定期的にお客様の声を集め続けられるか、商品開発でも新商品を出し続けられるかなど、これらのマーケティング活動を休まずに続けることがなによりも重要。

 


私は個人事業主ですが、どんなことを考えて経営していかなければならないのか、勉強になる一冊でした。