言葉磨きは、人間力磨きに通じる

「ホスピタリティの伝道師が説く日々の在り方 百年思考」という書籍からの紹介です。

「言葉磨きは、人間力磨きに通じる」という内容が印象に残りました。

本書に描かれている元NHKエグゼクティブアナウンサーの村上信夫さんのお話を抜粋しました。

 

 


言葉には武器言葉と楽器言葉があります。

武器言葉は相手も自分も刺してしまう言葉。

切っ先が鋭く、切れ味は良い。

それだけに、心を傷つけてしまう。

楽器言葉は、相手を褒めたり、認めたりする言葉。

心に温かな風を送り込むような言葉。

そしてもう一つ、沈黙という言葉があります。

美しい沈黙、行き詰った時の沈黙、相手を説得する時の沈黙。

まさに究極のコミュニケーションなんです。


 

 

自分では正しいこと、大事なことを伝えているつもりでも、それが相手にとっては「武器言葉」として受け取られてしまうこともあると思いますので、言葉の使い方には気を付けたいです。

 

 

また、以下のような「楽器言葉」を意識して使うことで、自分も相手も心が穏やかになる関係をつくっていきたいです。

 

「大丈夫ですよ」、「ありがとう」、「それでいいんです」、
「おかげ様です」、「素晴らしい」、「今のままでもいいですよ」

 

沈黙という言葉を使いこなすのはとても難しく、つい何か言葉を言ってしまいがちなので、沈黙も大事なコミュニケーション手段として、しっかり意識したいと思います。

 

 

「ホスピタリティの伝道師が説く日々の在り方 百年思考」(かざひの文庫)
髙野登 著

花は咲けども噺せども 神様がくれた高座

花は咲けども噺せども 神様がくれた高座 (PHP文芸文庫)
立川談慶

 

会社員をやめて落語家になり、長い前座修行を経て、真打ちを目指して奮闘する男の笑いと涙の心に沁みる人情物語です。

 

 

落語を通じて、義理や人情、恩や感謝の大切さを学びつつ、

「お互いダメな人間同士、一緒につまづきながら仲良くやろう」

という、人間の業の肯定を描いた良書でした。

信じられないドジをリアルにしちゃってもそれが許されるような社会、そんな人にも居場所を与えて包んでくれている落語の世界が分かりやすく描かれていて、落語を知らない人でも読みやすい内容だったと思います。

真打になるべく修業を続ける錦之助が、路上やサウナなどで行う青空落語、地方公演、老人ホーム、中学校の落語会などを通して、色々な人の気持ちや情に触れることで成長していくと共に周囲の人を幸せにしていく様子は微笑ましかったです。

 

 

特に印象に残った言葉を以下に抜粋しました。

・やっぱり人間、苦労しなきゃダメなのかもね。あなたがあれほど苦労していた前座修業時代って、人工的に苦労を認識する期間だったのかもよ。人間の陰の部分をわきまえないとお客さんを納得させる落語なんてできやしないんじゃないかな。

 

 

・落語家も相撲取りもさ、稽古が仕事なのかもね。本番の取組とか高座なんて、ただの集金活動だよ。かいた恥という自分のしでかしたマイナスな出来事は、上手くなるための伏線で、あとからどう回収するかと考えたほうが前向きになれるような気がする。

 

・下から目線ってさ、なんだかすべてが自分より上にいるから、すべてがすげえんだなって思える目線なのかもな。謙虚とは違うけど、「みんなすげえじゃん」って思える感じかな。上から目線だと相手の頭した見えないけど、下から目線だとさ、相手のすべてが見えるんだよ。人生、下から目線。

 

 

 

呼出秀男の相撲ばなし

呼出秀男の相撲ばなし
山木秀男

 

現在、大相撲9月場所が東京の両国国技館で開催されています。

新横綱の照ノ富士がどんな相撲を取るのか、角番(※)の大関の貴景勝がどうなるかが注目されています。

※ 角番 (以下、Wikipediaから抜粋)
角番(かどばん)は、大相撲の本場所において負け越しをした場合に、その地位から陥落するという状況である。通常は、現役大関の力士に対して用いられる。

 

 

さて、そんな大相撲の世界において、力士や親方はよく出てくるので目立ちますが、それ以外でも相撲を支えている方々がいらっしゃいます。

本書は、呼出の最上位である立呼出になり、定年まで勤め上げた秀男さんが、相撲に関わっている人たちや、力士の一日の過ごし方などを紹介した本です。

相撲を支えている重要な職種の一つが呼出(よびだし)。

 

 

力士の名前を読み上げる(呼び上げ)、土俵を作る(土俵築)、太鼓を叩く(太鼓)の3つが三大業務です。

このほかにも、土俵を掃く、水を入れる、拍子木を打つ、懸賞旗を掲げて土俵を回るなど、多くの仕事があることを初めて知りました。

呼出以外にも、例えば行司は軍配をあげる、床山は力士の髷を整えるといったイメージしかなかったのですが、実際にどんなことをしているのかを知ることができたのがよかったです。

 

 

個人的に知らなくてなるほどと思った内容を以下に抜粋しました。

・小さい字の番付表は行司が三人くらいで書いている。相撲の世界のみで使われる毛筆文字を使って字間の隙間をなくすよう書くのがポイントで、お客さんがいっぱい入るようにと縁起を担いでいる。

・本場所で力士がまく塩は粗塩で一日45キロくらい使う。

・ものを投げるのは元々祝儀の意味があった。贔屓の力士が勝ったら、羽織や煙草入れなどを投げ、そこに入っている屋号や家紋を確認して、あとで投げた人のところに持っていくとご祝儀がもらえた。(これを投げ纏頭(はな)という)。1909年にこれが禁止となり、たんに座布団が飛ぶだけになったが、本来は禁止されている。

 

 


今度、国技館やテレビで相撲を観る際には、力士以外の方にも注目して見てみようと思いました。

 

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟

浅草かっぱ橋商店街 リアル店舗の奇蹟(プレジデント社)
飯田 結太

 

「自分のところの商品なのに、わからないで売ってんのか」

お客様のこの一言から、今までの商売のやり方、従業員との付き合い方をすべて考えて直し、独自の経営戦略で飯田屋という料理道具屋を立て直した実話です。

 

 

ノルマも売上目標も接客マニュアルもない。

それでも、料理道具の困りごとを気軽に相談できる店にしたいという熱い想いが描かれていて、とても勉強になりました。

 

 

本当にたった一人のお客様を大事にするところから始め、多くの相談ごとに乗り、従業員の個性を生かして自由に仕事をさせる。

言葉で書くのは簡単ですが、これがいかに難しいことか、私も同じ経営者としてよく分かります。

売上が上がっても店舗数を増やすことをせず、より多くのお客様の笑顔と満足を追求する姿勢も好きでした。

 

 

以下に、印象に残った内容を抜粋しました。

・一人のお客に時間をかけてでも満足してもらうため、1年に1個しか売れない商品でも仕入れる品揃え

・「売れない商品」ではなく、説明をしなければ魅力が伝わりにくい商品があるだけ。商品のよさを伝える努力を怠っている店の問題

・在庫回転率を重視した職場は営業利益を追求する店側の都合でしかなく、数あるアイテムの中から驚きと選ぶ楽しみを味わってもらうための在庫仰天率を重視

 

 

経営者の大久保寛司さんの勉強会の言葉も胸に響きました。

「人が働くのは、自分と家族の幸せのため。経営者の仕事とは、従業員の幸せのために働くこと。ルールや賃金などの外的要素を変えても従業員が代わるのは一瞬で人の本質は変わらない。経営者の仕事はその人自身の力で変わる取り組みを全力で支援し、その人に中にある光り輝くものを引き出してあげること。」

 

 

お店をやっている方にはおすすめの一冊です。

 

ホルスト・シュルツィと山本五十六の共通点

「ホスピタリティの伝道師が説く日々の在り方 百年思考」という書籍からの紹介です。

「ホルスト・シュルツィと山本五十六の共通点」という内容が印象に残りました。

ホルスト・シュルツィ氏は、リッツカールトンの社長だった方です。

 

 

リーダーの条件について、著者の髙野氏が質問したところ、以下のように答えたそうです。

 

「リーダーの条件、それは愛と勇気とパッション、そして忍耐強く人と向き合う姿勢を崩さないことだ」

 

愛は慈愛で人を受け入れ認めること
勇気は覚悟を決めて決断する力
パッションは熱い想い
忍耐は人を信じて待つ力

 

 

この人を育てる感性は、海軍軍人で元帥海軍大将の山本五十六氏の言葉にも感じられます。

 

「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ。
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。」

 

洋の東西を問わず、リーダーが人を育てる時の視点は同じようです。

 

 

「ホスピタリティの伝道師が説く日々の在り方 百年思考」(かざひの文庫)
髙野登 著