「お手玉をする」とうつ、パニック障害が治る
中原 和彦 (著)
うつ病やパニック障害、不安障害や摂食障害など、様々な精神疾患に効果があるというお手玉療法が、具体的な解説とともに丁寧に説明されていました。
著者の中原先生は患者さんに「うつ病です」と告げることはほとんどないと言います。
それは、うつ病と言われると必要以上に深刻な病気だとショックを与えて治療の妨げになるからで、「脳が疲れているようですね」という簡単な言葉で伝えるという配慮はとても好感が持てました。
脳の3つの構造の説明も分かりやすく、それぞれに対応した対処法もよく考えられていて実践しやすいものだと思います。
【脳の構造】
植物脳:呼吸や睡眠、自律神経の調節を行う脳幹部
動物脳:食欲や性欲、快感など本能的な情動を司る大脳辺縁系
人間脳:創造力や理性、思想、運動、言語など人間を人間たらしめている大脳新皮質
【対処法】
植物脳に対しては、深い呼吸をしてリラックスでき、さらに呼吸を視覚化できるティッシュペーパー呼吸法
動物脳に対しては、イスに座って一定のリズムで行う膝の上下運動
人間脳に対しては、左右の手をリズミカルに動かすお手玉
特に「お手玉」に関しては、集中してやらないとうまくできないので、「今、ここ」という瞬間に向き合うことができるのがうつ病にとってすごくよいのだそうです。
さらに、「元の自分」に戻るのではなく、自分の臆病な気持ちや弱い部分と向き合って「新しい自分」になることで、うつ症状の再発を防ぐという考え方も納得できました。
劣等感、完璧主義、人と比べたがる、見栄を張る、周りの目を気にする、自分をさらけ出すことができないなどが、多くの患者さんに共通する特徴とのことです。
患者さんは病気を医師に治してもらうのではなく、心の癖に気付き、それを自分で修正していく姿勢が求められます。
ぜひ試してみたいと思える内容だったので、私も患者さんにすすめたいと思いました。

「お手玉をする」とうつ、パニック障害が治る (ビタミン文庫)


















