新版 今日が人生最後の日だと思って生きなさい
小澤 竹俊 (著)
身近な人が病気で苦しんでいたり、自分自身が生きることに悩んでいる人におすすめしたい一冊でした。
「死」というのものを意識しながら生活し続けるのは難しい。
それは死が日常ではなく、非日常だから。
それでもできるだけ悔いがないように生きるためには、日常と非日常の両方の大切さを知り、使い分けていく必要があるという考え方は共感できました。
非日常の出来事が起こると、食事がとれること、布団でぐっすり眠れること、大事な人といつでも会えること、そんな当たり前の日常がいかにかえがえのないものであるかがよく分かると思います。
また、最後はどうするか「自分で選ぶことができる自由」というのもとても大切だと思いました。
自分で外出したり、仕事を選んだり、誰のお世話になるか考えたり、日々の選択の積み重ねが人生をつくっていて、それは死ぬ直前まで変わらないことが、自分の尊厳を持ち続ける手段だと考えています。
以下に印象に残った言葉を抜粋。
・苦しみは希望と現実のギャップから生まれる。それでも苦しみを抱えながら穏やかに生きるにはどうすればいいかを考えるとき、自分にとっての大切な存在や支えになってくれる存在に気づける
・本当に大事なのは、「患者さんの問題をすべて解決すること」ではなく、無力な自分を受け入れ、医者としてではなく一人の人間として「患者さんに関わり続けること」、「無力でも患者さんの言葉をきちんと聴き、共に苦しみを味わおうとすること」
・亡くなった人も、ずっとそばで見守ってくれていて、この世を去ったあとも自分の存在や思い、言葉は人の心の中に生き続ける

新版 今日が人生最後の日だと思って生きなさい