私の3人の師匠③(光ヶ丘の先生)

私には治療家として、師匠と呼べる先生が3人います。

他にもお世話になったり勉強会で出会った先輩や先生はたくさんいますが、師匠と呼べるのは3人の先生です。

3人の先生とは、いずれも5年以上の付き合いがあります。

①府中の先生

②武蔵小山の先生

③光が丘の先生

どの先生にも共通しているのが、常に学び続けているということです。

それぞれの先生との出会いや学んだことを書いていきたいと思います。

3回目は「③光が丘の先生」のことを書きます。

光が丘の先生は、インターネットで検索して見つけた全盲の先生です。

 

 

私が勉強していた操体法やアレクサンダーテクニークを取り入れて施術をやっている先生を探していて、2014年4月に施術を受けにいきました。

その後、光が丘の先生が主催する勉強会に行くようになって、さらにマンツーマンで手技(マッサージ)を教えていただけることになり、毎週2時間くらい勉強しに行くようになりました。

光が丘の先生とは、お互いに体の状態をチェックするところから始めて、

・こう動かしたら体の状態がどう変化するか

・ここを刺激したら、その後どうなるか

・体をどう動かしたら楽に動くか

といったことをお互いに施術し合うことで確認していくやり方が多かったです。

 

 

強すぎる手技では体が緊張して抵抗しようとするため、「おさえる」という感覚を大事にした方がよいことを教えて下さったのも光が丘の先生です。

先生は全盲のため、見るのではなく実際に触って体の状態を確かめるのですが、触り方がとても柔らかくて繊細ですし、滞っていたり固まっているポイントを見つけ出す技術がずば抜けていました。

その技術を少しでも学びたくて、ほとんど毎週通っていました。

たまに、別の治療家の方や、盲学校の実習生の方がいらっしゃることもあり、その際には3人で体の状態を確認していました。

光が丘の先生は、

「治療は患者さんの体の微細な変化に気づいていく作業である」

とおっしゃっていて、微細な変化に気づいていくためには介入もより微細になっていくのだと教えてくださいました。

私が患者さんの体に対して柔らかく、繊細に触れるよう意識しているのは、光が丘の先生の影響が大きいです。

 

 

私は2021年10月に同行援護従業者一般課程(視覚障がい者ガイドヘルパー)の資格を取ったのですが、この資格を取得する前から全盲の先生と外出したり、食事をしたりしていました。

そのため、全盲の方のサポートにも慣れていて、こういった経験が現在当院にいらしている視覚障がい者の援助に役立っており、先生とのご縁のおかげだと思います。

ちなみに、当院にいらしている患者さんの旦那さんが全盲のマッサージ師の方で、その方とも色々とお話をするようになりました。

その後、その方も治療の技術を勉強したいということで、私が光ヶ丘の先生に教わった触り方や体の動かし方をお伝えしながら、1年半くらい当院で一緒に学びました。

こうして学びを別の方に伝えることで、恩送りができたのかなと思っています。

2019年に私が開業してからは月1回伺って勉強させていただきましたが、2021年10月からは先生が忙しくなって最近はお会いできておらず年賀状とメールでのやりとりとなっています。

近々また時間を見つけて伺いたいです。

以上、3回に分けて私が師匠と呼べる3人の先生との出会いや学んだことをお話しました。

3人の先生に心からの感謝を申し上げると共に、先生たちから学んだことを生かしてこれからも精進していきたいと思います。

 

私の3人の師匠②(武蔵小山の先生)

私には治療家として、師匠と呼べる先生が3人います。

他にもお世話になったり勉強会で出会った先輩や先生はたくさんいますが、師匠と呼べるのは3人の先生です。

3人の先生とは、いずれも5年以上の付き合いがあります。

①府中の先生

②武蔵小山の先生

③光が丘の先生

どの先生にも共通しているのが、常に学び続けているということです。

それぞれの先生との出会いや学んだことを3回に分けて書いていきたいと思います。

2回目は「②武蔵小山の先生」のことを書きます。

 

 

武蔵小山の先生は、府中の先生が昔働いていた治療院で、スタッフがたくさんいるから修業場所としてよいのではと紹介していただきました。

この治療院はバブルの時代の全盛期にはベッド10台が稼動していたそうで、スタッフも10人~20人雇っていたというやり手の先生です。

私がお世話になったのは2014年5月からで、その時点ではベッド5台が稼動していて、スタッフは7人~10人いました。(スタッフは常勤、非常勤が混在していました)

私は日中は別の治療院で働いていたため、治療院の仕事が終わった後に週5回19時30分~21時30分くらいまで、治療院の掃除や片付けをしながら勉強させていただきました。

 

 

武蔵小山の先生のところでは、徹底して反復練習をしました。

空き時間は常に、先生かスタッフにマッサージか鍼灸の練習をしていました。

最初の頃は、先生に「今の鍼は痛い!」とか「場所がずれてる」とか言われてひやひやしましたが、繰り返し行うことで少しずつ身に付いてきました。

私自身もあとから入ったスタッフの練習台になって痛い鍼を打たれたことはよい思い出です(笑)

また、患者さんがいらっしゃる時には、他の先生がどんなふうに鍼を打っているのかよく見ているように言われました。

勉強会や講習会ではなく、実際の患者さんを施術している様子を間近で見せていただける機会はあまりないので、とてもありがたいことでした。

その際、こんな疾患の患者さんの場合にはこのツボを使うとか、鍼を打つときのリズムとか、鍼の抜き方とか、こういったケースは鍼よりもお灸の方がよいということを、実際に患者さんの変化を見ながら学ぶことができました。

 

 

私が現在行っている鍼の打ち方は、武蔵小山の先生に教えていただいたやり方です。

今までやってきたやり方をがらっと変えるやり方だったので当時は大変でしたが、繰り返し練習して身に付けました。

例えば、専門学校や鍼灸の講習会では、トン・トン・トン・トンと同じリズムで鍼を打つよう教わりましたが、武蔵小山の先生からは、トン・・・トン・トン・トンと、あえて1回目のあとは間を取る方がよいことを教わりました。

どんなに上手な先生でも、たまには本当に痛いポイント(痛点)に鍼があたってしまうことがあります。

その際に、トン・トン・トン・トンとやってしまうと患者さんに痛い思いをさせてしまいます。

ところが、トン・・・とやって間を取ることで、その場所が痛点でないことを確認してから鍼を入れられるので、患者さんに痛い思いをさせることが少なくなります。

最初はこの鍼の打ち方の理由を教えてもらえず自分で考えるよう言われましたが、何度も練習していくうちに理由が分かってきました。

ほかにも、お灸に使うもぐさをひねる練習をしたり、吸玉療法やイトウテルミーといった鍼灸マッサージ以外の療法も教わりました。

武蔵小山の先生のところでは、何度も何度も基本動作の反復練習をさせていただき、本当にありがたかったです。

 

 

こちらから勉強しに行っているのでお金を頂戴することは考えていなかったのですが、2015年からは交通費を、2017年からはアルバイト代をいただけるようになり、実際に患者さんに施術をする機会も増えていきました。

私の転職や開業もあり、治療院に伺う頻度は週2回17時30分~21時30分、週1回17時30分~21時30分に変わっていきましたが、先生が病気になって閉院する2021年4月まで約7年間お世話になりました。

私が開業する際には、ホームページに掲載する推薦のお言葉をいただけたこともありがたいことでした。

残念ながら武蔵小山の先生は2021年11月に永眠されましたが、繰り返し練習して学んだ先生の教えは私の手に染み付いています。

 

 

私の3人の師匠①(府中の先生)

私には治療家として、師匠と呼べる先生が3人います。

他にもお世話になったり勉強会で出会った先輩や先生はたくさんいますが、師匠と呼べるのは3人の先生です。

3人の先生とは、いずれも5年以上の付き合いがあります。

①府中の先生

②武蔵小山の先生

③光が丘の先生

どの先生にも共通しているのが、常に学び続けているということです。

それぞれの先生との出会いや学んだことを3回に分けて書いていきたいと思います。

1回目は「①府中の先生」のことを書きます。

 

 

まず、私が治療家を志すきっかけとなったのが府中の先生です。

府中で一人で開業されていて、私がシステムエンジニアだった23歳の頃に治療院へ伺いました。

府中の先生と出会えていなかったら私は、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧師(以下鍼灸マッサージ師)になっていなかったと思います。


ホームページのプロフィール:治療家を志したきっかけ
https://nishigahara4-harikyu.com/profile.html


府中の先生も、会社員として働いていた時に体調を崩したことがきっかけで、30代後半から夜間の鍼灸マッサージの専門学校に通って鍼灸マッサージ師の国家資格を取ったという方でした。

この話を聞いたからこそ、会社勤めをしながらでも鍼灸マッサージの専門学校に通うことができるのかと思い、私もやってみようと決断するきっかけになったのです。

 

 

とはいえ、最初は「鍼灸マッサージの専門学校に行くことを考えています」と相談したら、食べていくのが大変だからやめた方がよいとも言われましたが…(笑)

それでも、私が専門学校に通っている間も、少しずつ鍼灸マッサージに関することを教えて下さいました。

鍼灸マッサージ師の国家試験に合格した際には「鍼灸真髄」という本を頂戴し、とても嬉しかったことを覚えています。

鍼灸マッサージ師の資格を取得してからは、私が府中の先生に鍼灸マッサージをやらせてもらいながら、アドバイスをいただくこともありました。

また、府中の先生のところにいらしている患者さんに、実際にお身体を触らせていただき勉強したこともありました。

本当にありがたいことです。

 

 

私が現在治療で使っている操体法やアレクサンダーテクニークも、府中の先生から本を紹介していただいたことがきっかけで興味をもって学び始めたのです。

そのため、現在の私の治療スタイルは、府中の先生のやり方がベースになっています。

そのほかにも、私が最初に勤務した治療院にわざわざ施術を受けに来て下さったり、私が開業した際には開業祝いに心理学の書籍や扇風機をプレゼントして下さったりと、ずっと気にかけて下さり、とてもありがたく嬉しく思います。

2021年には、私の治療院に施術を受けに来て下さいました。

また、昨年末は、久々に一緒に食事をし、患者さんの症状の相談や治療院の経営の話をしました。

府中の先生は、現在では以前より営業日数を少なくして、治療家を続けていらっしゃり、現在24年目だそうです。

私も府中の先生を見習って学ぶ気持ちを忘れることなく、長く治療院を続けていけるように頑張りたいです。

 

母校が専門実践教育訓練の指定講座に認定されました

今回は、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の専門学校に関する話です。

私が3年間通った日本鍼灸理療専門学校が、厚生労働省の専門実践教育訓練の指定講座として認定されました。(日本柔道整復専門学校も同様です)

 

 

専門実践教育訓練の指定講座に認定されると、学校に支払った学費の一部があとから支給されます。

参考サイト:日本鍼灸理療専門学校・日本柔道整復専門学校
専門実践教育訓練の指定講座に全学科が指定されました!
https://www.hanada.ac.jp/20230808-524/

 

給付金の支給対象になるかは、「現在働いている」、「雇用保険加入期間が通算3年以上(初めて受給される方は2年以上)」、「教育給付金制度の利用は初めて」などの条件があるようです。

うまく利用すれば、最大で168万円の給付金を受給することができるそうです。(制度の詳細は専門学校またはハローワークにご確認下さい)

専門実践教育訓練給付金
https://www.hanada.ac.jp/campus/support.html

 

 

専門学校にもよりますが、鍼灸マッサージの専門学校の学費は入学金も含めると450万~550万(※)くらいかかります。

※ 取得する資格が、「はり・きゅう」、「あん摩マッサージ指圧のみ」、「はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の三つ」によっても異なりますので、興味がある方は調べてみて下さい。

学費以外にも、教材費や白衣、講習会の費用、国家試験受験料などもかかるため、結構な出費になります。

ちなみに、私が受験した時は一つの国家資格の受験料が3万円だったので、はり・きゅう・あん摩マッサージ指圧の三つを受験するだけで9万円かかりました。

もし社会人の方で、鍼灸マッサージの専門学校に行くことを考えている場合には、給付制度を上手に利用するとよいと思います。

 

 

はり・きゅう・マッサージ師の経験の積み方②

前回のブログに続いて、はり・きゅう・マッサージ師の経験の積み方に関する話です。

2回目は「勉強会・講習会」で経験を積む話です。

学校で習ったことだけではなかなか患者さんの疾患や症状を改善することは難しいので、自分で勉強して知識を学びながら経験を積む必要があります。

 

 

はり・きゅう・マッサージ師の業界では、数え切れないほどの「勉強会・講習会」が開催されていて、検索するとたくさん出てきます。

就職してからでもよいのですが、できればはり・きゅう・マッサージ学校の学生の内に(※)いくつかの勉強会を経験して、先生の考え方に共感できるもの、自分の考え方に合うものを見つけるのがよいと思います。

※ 学生の場合、割引価格で勉強会・講習会を受講できるケースが多いからおすすめです。

勉強会・講習会もたくさんあって選ぶのは難しいですが、私の経験を踏まえていくつか選ぶポイントを書いてみます。

 

 

◆お試し参加や体験ができるもの

「3回連続コースで10万円」といった高い料金の場合、それが自分に合うか分からないのにお金を出すのはもったいないです。料金が高い場合にはまずはお試し参加や体験ができるものがよいと思います。

◆座学だけでなく、実技があるもの

座学ももちろん大事ですが、やはり実技もやらないと身に付きません。

◆できれば少人数のもの

人数が多いと、自分が教えてもらえる時間や経験する時間が少ないです。私が以前参加した勉強会では、先生が何かをした後に他の講習生が脈を診るのですが、10人以上が繰り返し脈を診ていて、待っている時間がもったいないですし、10人もやっていればその間に脈も変わってしまうと思いました。

◆自分が施術を受けて気に入ったもの、効果的だったもの

私は気に入った先生のところに何回か通って、

「先生は勉強会はやっていませんか?」
「もしよかったら、お時間があるときに教えて頂くことはできませんか?」

と確認して、マンツーマンで教えて頂きました。


色々な勉強会・講習会に参加することで、自分に合うものや自分がやりたいものが見つかれば、それを繰り返し練習、実践しながら経験を積むことができます。

2回に分けて、はり・きゅう・マッサージ師の経験の積み方を書いてみました。

これからはり・きゅう・マッサージを勉強しようとしている方や、はり・きゅう・マッサージに興味がある方の参考になれば幸いです。