人を動かす傾聴力
林田康裕 (著)
傾聴というと「相手の話をとにかく聴くこと」と思われていますが、実際には話を聴いたあとで、いかに相手がしっかり聴いてもらえたかを実感できるかが重要であることがよく分かる内容でした。
「傾聴というのは、目の前の方との関係性をよりよくする手段であって、傾聴そのものが目的ではない。傾聴スキルよりも大切なのは『相手は何を求めているか』を考えること」
という考え方は分かりやすかったです。
相手の立場になって考えると、「それはどういうことですか?」、「なぜ○○なんですか?」、「もう少し詳しく聴かせてもらえませんか?」など、会話をより掘り下げていって、相手の思考が整理されたり、解決方法に気づく可能性もあるという話は納得できました。
傾聴しているつもりでも、勝手に決め付けたり、パターン化したり、相手をコントロールしようとしたり、といったことは無意識にやってしまっているので、気をつけたいです。
ほかにも印象に残った言葉を以下に抜粋しました。
・言葉は発した本人にもっとも作用する
伝える側は伝えたと思っても、相手に伝わっていないことが多い。
「伝える」よりも「話してもらう」のが大切。
話す側は、考えながら話し、そして自ら発した言葉が自らの耳を通して脳に届く。
その結果、話す側は「明確になる」「自分に気づく」「整理できる」「責任を持つ」が作用する。
・目の前の人は答えを求めていない
何か爪跡を残してやろうと考えていると、自分の出番待ちをしてしまう。でも、その爪跡は相手目線ではなく、自分目線によるもの。爪跡を残すことよりも、好印象を残すほうが今後の関係性が発展する
人を動かす傾聴力