私の3人の師匠②(武蔵小山の先生)

私には治療家として、師匠と呼べる先生が3人います。

他にもお世話になったり勉強会で出会った先輩や先生はたくさんいますが、師匠と呼べるのは3人の先生です。

3人の先生とは、いずれも5年以上の付き合いがあります。

①府中の先生

②武蔵小山の先生

③光が丘の先生

どの先生にも共通しているのが、常に学び続けているということです。

それぞれの先生との出会いや学んだことを3回に分けて書いていきたいと思います。

2回目は「②武蔵小山の先生」のことを書きます。

 

 

武蔵小山の先生は、府中の先生が昔働いていた治療院で、スタッフがたくさんいるから修業場所としてよいのではと紹介していただきました。

この治療院はバブルの時代の全盛期にはベッド10台が稼動していたそうで、スタッフも10人~20人雇っていたというやり手の先生です。

私がお世話になったのは2014年5月からで、その時点ではベッド5台が稼動していて、スタッフは7人~10人いました。(スタッフは常勤、非常勤が混在していました)

私は日中は別の治療院で働いていたため、治療院の仕事が終わった後に週5回19時30分~21時30分くらいまで、治療院の掃除や片付けをしながら勉強させていただきました。

 

 

武蔵小山の先生のところでは、徹底して反復練習をしました。

空き時間は常に、先生かスタッフにマッサージか鍼灸の練習をしていました。

最初の頃は、先生に「今の鍼は痛い!」とか「場所がずれてる」とか言われてひやひやしましたが、繰り返し行うことで少しずつ身に付いてきました。

私自身もあとから入ったスタッフの練習台になって痛い鍼を打たれたことはよい思い出です(笑)

また、患者さんがいらっしゃる時には、他の先生がどんなふうに鍼を打っているのかよく見ているように言われました。

勉強会や講習会ではなく、実際の患者さんを施術している様子を間近で見せていただける機会はあまりないので、とてもありがたいことでした。

その際、こんな疾患の患者さんの場合にはこのツボを使うとか、鍼を打つときのリズムとか、鍼の抜き方とか、こういったケースは鍼よりもお灸の方がよいということを、実際に患者さんの変化を見ながら学ぶことができました。

 

 

私が現在行っている鍼の打ち方は、武蔵小山の先生に教えていただいたやり方です。

今までやってきたやり方をがらっと変えるやり方だったので当時は大変でしたが、繰り返し練習して身に付けました。

例えば、専門学校や鍼灸の講習会では、トン・トン・トン・トンと同じリズムで鍼を打つよう教わりましたが、武蔵小山の先生からは、トン・・・トン・トン・トンと、あえて1回目のあとは間を取る方がよいことを教わりました。

どんなに上手な先生でも、たまには本当に痛いポイント(痛点)に鍼があたってしまうことがあります。

その際に、トン・トン・トン・トンとやってしまうと患者さんに痛い思いをさせてしまいます。

ところが、トン・・・とやって間を取ることで、その場所が痛点でないことを確認してから鍼を入れられるので、患者さんに痛い思いをさせることが少なくなります。

最初はこの鍼の打ち方の理由を教えてもらえず自分で考えるよう言われましたが、何度も練習していくうちに理由が分かってきました。

ほかにも、お灸に使うもぐさをひねる練習をしたり、吸玉療法やイトウテルミーといった鍼灸マッサージ以外の療法も教わりました。

武蔵小山の先生のところでは、何度も何度も基本動作の反復練習をさせていただき、本当にありがたかったです。

 

 

こちらから勉強しに行っているのでお金を頂戴することは考えていなかったのですが、2015年からは交通費を、2017年からはアルバイト代をいただけるようになり、実際に患者さんに施術をする機会も増えていきました。

私の転職や開業もあり、治療院に伺う頻度は週2回17時30分~21時30分、週1回17時30分~21時30分に変わっていきましたが、先生が病気になって閉院する2021年4月まで約7年間お世話になりました。

私が開業する際には、ホームページに掲載する推薦のお言葉をいただけたこともありがたいことでした。

残念ながら武蔵小山の先生は2021年11月に永眠されましたが、繰り返し練習して学んだ先生の教えは私の手に染み付いています。

 

 


【この記事を書いた人】

photo 西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師の国家資格を持ち、病気の治療、予防のお手伝いをしています。

たった一人でも、「治療に来てよかった」と満足していただき、 人生を豊かに過ごすお手伝いをすることを理念としております。
お気づきの点や質問等ございましたら,どうぞご遠慮なくお聞かせくださいませ。

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