他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。#なんで僕に聞くんだろう。(幻冬舎)
幡野広志
以前にブログで紹介した「なんで僕に聞くんだろう。」の第二弾です。
なんで僕に聞くんだろう。
前作に続いて、切れ味が鋭い考察の中に、相談者を思いやる気持ちが盛り込まれていて、とても勉強になりました。
「頑張る背中を少し押しただけで頑張るのは相談者さん」というスタンスを保ちながらも、相談者の気持ちに寄り添って、紡がれる言葉には優しさと厳しさが詰まっていたと思います。
「ハゲてないけど毛頭ありません」、「不安と答えのハッピーセット」、「神様は乗り越えられない試練は与えないというGOD-POP」、「頭の中が春の南房総」など、ユニークな言い回しも好きでした。
あとがきにある、「相談者の悩みを理解できなくても、思いやることは可能である」という言葉は特に印象に残っています。
そのほか、私が気に入った文章を以下に抜粋しました。
・今悩んでいる気持ちを忘れないように大切にして下さい。自分の過去の悩みをバカにすると、若い人の相談をバカにするダサいおじさんになっちゃうよ。悩んだ経験って人生の財産になるよ。
・親って不安で、子どもに失敗をしてほしくないのでしょうけど、その解決方法が子どもの失敗を先回りすることで、そのせいで子どもの失敗が回避され続けると、やっぱり失敗ができない大人になってしまうと思います。失敗を防ぐ最善の方法は挑戦しないことで、挑戦をしないで誰かに指示されたことに従うだけの大人になってしまいます。
・不安にさせて焦らせたときに答えを与えると、人をコントロールできるようになるの。それで大人が食べさせたいものを食べさせるような教育も簡単になる。不安と答えがおまけのハッピーセットみたいなものだよね。
・死ぬときまであなたが幸せに生きることが、相手を不幸にさせない最良の方法でしょう。ぼくは妻と息子を不幸にしたくないから、死ぬときまで幸せに生きるの。ぼくはぼくが死んだあとに、妻と息子が時間をかけてゆっくりと悲しんだら、あとはおもいだし笑いをしてほしいんですよね。

他人の悩みはひとごと、自分の悩みはおおごと。 #なんで僕に聞くんだろう。