電車で席を譲られて断りたい

80代の杖歩行の女性患者さんから伺ったお話です。

2つ先の駅へ行こうと電車に乗ったところ、

「どうぞ座ってください」

と席を勧められました。

この患者さんは膝と腰に痛みがあり、一度座ると立ち上がるのに時間がかかるのですが、それを説明するのは面倒で、

「2つ目の駅で降りるから大丈夫です」

とお答えしたそうです。ところが、譲ってくださった方は

「いえいえ、遠慮せず座ってください」

と勧めてくるので、断るのも悪いなと思って、お礼を言って座りました。

その後、降りる駅が近づいてきたので、立ち上がろうとしたのですが、うまく立ち上がれません。
そうこうしている内に、目的の駅へ到着。

「すみません、降ります!」

と言いながら、周りの人にサポートしていただき、なんとか降りることができたそうです。

杖

「こんなことになるなら、座らなければよかったわ」
と言いつつ、親切を断るのも悪いという気持ちもあり、どう断ればよかったかな?と相談されました。

そこで私は、

「ありがとうございます。でも、一度座ると立ち上がるのに時間がかかるので立っている方が楽なのです」

と答えたらいかがでしょうか、とお話しました。

譲ってくださったことにお礼を言いつつ、本音を正直に伝える。

これが正しいか分かりませんが、その患者さんは納得してくださり、「次回からそう答えます」とおっしゃっていました。

親切を断るのも難しいですね。


【この記事を書いた人】

photo 西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師の国家資格を持ち、病気の治療、予防のお手伝いをしています。

たった一人でも、「治療に来てよかった」と満足していただき、 人生を豊かに過ごすお手伝いをすることを理念としております。
お気づきの点や質問等ございましたら,どうぞご遠慮なくお聞かせくださいませ。

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