ニッポン子育てしやすい会社(商業界)
坂本光司
昨今、夫婦で共に仕事をしながら子育てをする家庭が増えています。
子育てや短時間勤務に対する支援制度があっても、それを使用できる風土でなければ申し訳ない気持ちとなってしまい、仕事が続けられません。
本書で紹介されている会社は、いずれも支援制度が利用しやすい風土作りが行われていて、「おたがいさま」精神に溢れた素晴らしい会社でした。
多くの会社で制度が運用できないのは、制度を権利主張の道具として使ってしまい、周りへの気遣いが疎かになっているからだと思います。
また、制度を作るだけでなく、各家庭の考え方、環境、自社の身の丈と照らし合わせてベストな制度を作り上げていく柔軟性も必要です。
あえて制度化しないで働く社員にメリットがあるかどうかを考えて皆で話し合って決めるといった会社もあり、本当に働く人のことを個別に考えて対応している会社があることには感動しました。
以下、印象に残った言葉を抜粋しました。
・世間では、仕事と私生活をきっちり分けることを推奨する風潮もあるが、本来、ワークもライフも境目はないと思う。同じ人が職場でいきなり変身するなんて不自然。家庭でも仕事の話ができ、職場でも家庭の話が自然体でできる風土で、互いに支えあっていくのが本当のライフワークバランスではないか
・採用基準は仕事ができる人よりも、周囲の人と仲良くできる人。仕事は経験を積むことによってできるようになるので、人柄や協調性を重視している。また、同社には接客マニュアルがなく、あなたが一番よいと思ったやり方をしてください、と現場を任されることで、店内にはやわらかく温かみのある雰囲気が漂っている
ニッポン 子育てしやすい会社