先日、NHKの知恵泉で放送されていた
「福祉の世界に新たな風を!小倉昌男」
という話をご紹介します。
先人たちの底力 知恵泉(ちえいず) 「福祉の世界に新たな風を!小倉昌男」
https://www.nhk.jp/p/chieizu/ts/R6Z2J4WP1Z/episode/te/ZZPPRRG67Z/
小倉昌男さんはヤマト運輸の元社長で、儲からないといわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた方です。
ブログ:小倉昌男 経営学
https://nishigahara4-harikyu.com/blog/oguramasaobusinessadministration/
そんな小倉さんは、晩年は福祉に携わっており、その取り組みの内容が紹介された番組でした。
福祉の現場で障がい者が働く共同作業場を見学した小倉さん、その工賃が月1万円であることに驚きます。
自分にできることは寄付をすることぐらいだ、と考えていましたが、福祉に携わる方から経営を教えてほしいと依頼を受けます。
そこで、小規模作業所パワーアップセミナーという経営セミナーを各地で開催し、「福祉に経営のノウハウを」という講演をします。
ところが、セミナーの内容が共同作業所の経営者に響きません。
・障がい者を大切に手厚くすることが大事だ
・福祉にお金儲けの考え方は合わない
・仕事の内容的に工賃をあげるのは無理だ
そんな想いの経営者たちに、
「儲けることは悪いことではない」
「病院でも経営がうまくいかないと潰れる」
「医療でも福祉でも経営は大事だ」
と、一生懸命経営の大切さを説明します。
また、作る商品も「牛乳パック→はがき」、「廃油→石けん」といったリサイクル商品だけでなく、市場が求めているものを作るべきだと提案し、障がい者が求めていることを話します。
障がい者が求めているのは何か。
それは「生きがい」だ。
健常者のように働くことで、仕事が喜びとなり生きがいになっていくのだ。
だからこそ、賃金を上げる必要があると考え、工賃を月10万にすることを目指していきます。
とはいえ、工賃を月10万にすることを簡単なことではありません。
そこで小倉さんは自ら行動し、パン作りを行うことを考えます。
パンを作る作業工程を消費者に見せること、袋に入れず直接店頭に並べることで、目と鼻に訴える戦略です。
1998年6月、銀座にベーカリーショップを開店し、障がい者も積極的に雇用します。
その結果、ベーカリーショップは大成功を収め、フランチャイズ展開して全国に広げていきました。
障がい者の工賃も月10万を達成することができました。
さらに、2015年にはベトナムでもベーカリーショップを開店しました。
「工賃を月10万にするのは無理だ」
と口をそろえる共同作業場の経営者たちに、小倉さん自らが行動しやってみせることで、
「福祉にも経営は必要だ」
と経営者たちの意識を変えることに成功するという話でした。
小倉さんというと宅急便というイメージが強かったのですが、福祉の分野にも経営の必要性を訴え、障がい者の生きがいに繋げていく活動をしていたことに感銘を受けました。
#興味がある方は、「9月14日(火)午後0:00」から再放送の予定ですのでご覧下さい。