小倉昌男 経営学(日経BP社)
小倉昌男 著
「儲からない」といわれた個人宅配の市場を切り開き、「宅急便」によって人々の生活の常識を変えた男、小倉昌男が書いた経営学です。
郵便局だけの独占市場であった個人宅配市場へ切り込み、「宅急便」という新しい業態を開発したヤマト運輸の社長である著者の知られざる体験を記した実話です。
個人宅配は集配効率が悪いという常識をあえて疑う、
他社との差別化を図るための翌日配達、
「サービスが先、利益は後」という一貫した経営方針、
全員経営のための戦略的思考、
行政に頼らず消費者の利便を追求する姿勢など、
著者が宅急便サービスを始めるにあたって直面した課題や、時代背景、その都度の決断経緯が具体的に説明されていて、本当に学ぶことが多かったです。
特に最終章の「経営リーダー10の条件」は、まさに著者自身が実践してきたことであり、真の経営者になるための指針が示されており勉強になりました。
経営者に必要なことは倫理観であり、利用者に対する使命感という著者の考えには大いに共感できます。
1.論理的思考
2.時代の風を読む
3.戦略的思考
4.攻めの経営
5.行政に頼らぬ自立の精神
6.政治家に頼るな、自助努力あるのみ
7.マスコミとのよい関係
8.明るい性格
9.身銭を切ること
10.高い倫理観
経営者、社員といった立場の違いに関係なく、常に心にとどめておきたい内容が満載の一冊でした。
小倉昌男 経営学