病院というヘンテコな場所が教えてくれたコト。2 看護師4年目、もう辞めたい…編 (いろは出版)
仲本りさ
「病院というヘンテコな場所が教えてくれたコト」シリーズの第二弾です。
参考:「病院というヘンテコな場所が教えてくれたコト」シリーズの第一弾
https://nishigahara4-harikyu.com/blog/hentekohospital/
前作は、「死をどう乗り越えるか」がテーマでしたが、今回は「もう辞めたい」と思うような現実に直面する展開が描かれています。
患者さんのためを思ってやっている処置でも、場合によっては痛がられたり、ムッとされたりして嫌がられ、悪魔みたいな存在になってしまうという現実。
それに対して、一人の看護師としてどう向き合って受け入れていくのかが、分かりやすいイラストとともに丁寧に描かれていました。
「しんどいけどもうちょっと頑張ってみよう」という前向きな気持ちが感じられる終わり方で読後感もよかったです。
以下に印象に残った言葉を抜粋しました。
・医療者は病気になった人の治療のためだけにいるんじゃなくて、その人の人生を大切にするためにいるってことを忘れないようにしたい
・悩み続けて行き着いたのは、失っていくことや解決されない苦しさを抱いたまま、「ただ今日を一緒に居る」とうこと。それだけのことにかけがえのない価値を見出す感受性をもつという姿勢が大切。
本書の執筆期間中に広がった新型コロナウイルスについても、
「仕事だから仕方なく」
「コロナ患者さんに対応するスタッフになんて声をかけたらよいのだろう」
といった本音が描かれていたのもよかったと思います。
苦しみながら考え続ける看護師さんを応援したくなる一冊でした。
病院というヘンテコな場所が教えてくれたコト。2 看護師4年目、もう辞めたい…編