100年ひざ
巽 一郎 (著)
膝が痛いからまず痛み止め、ダメなら注射、それでもダメなら手術といった機械的な診察ではなく、膝が痛い理由をしっかり説明し、根本から治すため時間をかけて以下①~④をやっていくという説明は分かりやすかったです。
①朝起きてトイレに行く前の足放り体操
②体重を標準へ(週一回絶食)
③歩き方(内もも歩き、一直線歩きなど)
④筋トレ(大腿四頭筋など)
症状だけをとるのではなく、原因に目を向けて根本から改善していくという考え方は共感できました。
痛み止めでは膝の軟骨が増えず消炎効果によって体の自然治癒システムのスイッチが押されなくなってしまうので、毎日飲むのではなく、あくまでも対症療法として頓服する(症状がひどい時のみ服用)のが大事というのは勉強になりました。
また、膝の軟骨が減ると痛いのは微小骨折が繰り返され、安静にして寝ていると1日でカルシウムが沈着して治ることがあり、膝の痛みに波があるのはこのためという説明は分かりやすかったです。
巽先生の以下の言葉が印象的でした。
「痛みという「結果」だけでなく痛みの「原因」に目を向けること、膝を治す主体者は自分自身だということ、患者さんの意識がそのように変わることを気長に待つようにしている。その時間が患者さんにとって必要な時間だと思うから」
本書では基本的に慢性の変形性膝関節症を対象としていますが、それ以外の膝の痛みの場合(お皿や膝裏の痛み)にできる保存療法も知りたかったです。

100年ひざ