在宅整形が得意技になる本(南山堂)
飯島治
本書は内科の医師向けに描かれた在宅整形の本ですが、鍼灸マッサージ師の私にも大変役に立つ内容でした。
骨折しているかどうかの簡易判断や、肩や肘の痛みの判断、打撲してから2、3日してから痛みが出るケースの説明など、非常に勉強になりました。
また、
「転倒予防に注意しましょう」
という予防の書籍は多数あっても、どんな風に転んでいるか現場検証して考察している研究は少ないと思います。
本書では、「在宅転倒学」として転び方や介護度ごとに、どこで、どんなふうに転んでいるかを、著者の実際の症例を元にまとめており、その取り組みが素晴らしかったです。
ほかにも、バリアフリーの盲点はちょっとした段差と思われがちですが、在宅患者さんはそもそも段差があるところにはあまり行かないので、実は「イス」が盲点になるという話は驚きでした。
座面高が高く、足が床から浮くイスは立ちあがるのは楽ですが、床に落としたものを拾おうとしてバランスを崩してしまったり、移乗の際にクッションごとすべったりなど、実際の在宅現場での経験を元に書かれているので、信頼できる内容でした。
何度も読み返したい一冊です。
在宅整形が得意技になる本