死ぬまで、働く。
池田 きぬ 著
戦前から看護婦、保健婦として活躍、その後も婦長など責任者の立場を中心に看護師を続け、88歳からは責任者ではなく一人の現場担当としてサービス付き高齢者住宅「いちしの里」に勤務、97歳の今も現役で働き続ける池田きぬさんの話です。
看護師として80年働き続けてきて、97歳の今なお現役看護師として働いている池田さんの言葉は励みになりました。
サービス付き高齢者住宅で週2回、仕事をすることが生活のよいメリハリになっているという池田さん。
年をとっても、若い人たちと協力しながらしっかりと自分のできる仕事をし、苦手なことは周囲に助けてもらいながらも働き続ける。
若い人だけでなく、ご年配でも元気な方が職場にいることで、どこかのんびりした空気になり、職場は和気あいあいとしているという穏やかな雰囲気が伝わってきました。
ITスキル、車を使っての送迎、体力仕事などは若い人にやってもらい、その分、人がいない時に率先して働いたり、同世代の入居者さんの話を聴いたり、若い人の相談に乗ったりと、うまく仕事をしていけるのは、池田さんの謙虚な人柄があるからだと思います。
仕事以外でも、
・今日やることをメモする
・野菜と花の世話、草引きをほぼ毎日やる
・新聞を読む
・苦手な料理も楽しみながら時々新しいレシピに挑戦
など、毎日自分の健康や世間の動きを把握することも怠らない姿勢は素晴らしいと思いました。
仕事は疲れるけれど、うちに帰ったときの「健康で動けた」という充実感は何物にも変えられないという池田さん。
働くことで得られる自分の役割や充実感が、元気で長生きするために必要なことなのだと本書を読んで改めて思いました。
死ぬまで、働く。