施術だけしたければ開業しない方がよい

今回は、はり・きゅう・マッサージの施術と開業の話です。

開業する理由として、たまに聞くのが

「施術をたくさんしたいから」

というものがあります。

 

 

ですが、本当に施術をたくさんしたいなら開業はしない方がよいのです。

なぜなら、開業すると施術以外の仕事も全部やらないといけないからです。
(もちろん人を雇えば話は別ですが、今回は個人事業であることを前提としての話です)

施術以外の仕事として、以下のようなものがあります。


・営業(広告、パンフレット、ホームページ、SNS、ブログなど)

・備品の準備(ベッド、鍼灸用具、カルテ、タオル、空気清浄機、扇風機、電話、院内音楽、パソコン、プリンタなど)

・在庫管理(鍼灸用具、消毒液、ペーパータオル、使い捨てシーツ、手袋など)

・電話対応、お会計(つり銭の準備も含む)

・関連業者との手続き(物件更新、ホームページメンテナンス、キャッシュレス、ネット予約システムなど)

・売上や経費の管理、資金繰り(会計ソフト導入、銀行回りなど)

・保険をやる場合は書類準備・作成、施術管理者研修受講

・各種制度の把握(インボイス、電子帳簿保存法など)

・掃除、洗濯

 

とりあえず思いついたものをあげましたが、他にもまだあるかもしれません。

施術以外の色々な仕事をしても、それで直接お金が頂けるわけではありませんし、逆に設備投資でお金がかかることもあります。

それでもやらなければならない仕事がたくさんあるのです。

ちなみに、私が開業前に勤務していた整形外科内科クリニックでは

・鍼灸関連の備品準備、在庫管理
(クリニックで鍼灸をやるのが私だけだったので、これはやる必要がありました)

・掃除、洗濯
(毎日の掃除、洗濯はどの職場でも必要な仕事です)

を除けば、これ以外の上記の仕事はやる必要がありませんでした。

そのため、1日の業務時間の内、施術を行う時間が多く、1日15人~30人くらいは施術をしていました。

以上の理由から、施術をたくさんしたいなら、開業を考えるのではなく、どこかに勤務する方がよいと思います。

 

 

もし、

「施術をたくさんしたい」

ではなくて、

「自分の思う通りの施術を、自分が考えた時間や料金でやりたい」

ということであれば開業した方がいいかもしれませんが、患者さんに来て頂くための営業活動や、帳簿管理などの事務作業、施術するための環境整備なども自分でやらないといけません。

私は前職がシステムエンジニアだったのでホームページやパンフレット作製、帳簿管理などは得意分野でした。

また、開業前に出張専門の施術をやっておくことで開業を見据えた準備をしてきました。

はり・きゅう・マッサージで開業しようと考えている方は、

・施術以外にも色々とやらなければならないことがある

・開業する場合は施術だけではなく、営業や事務作業もある程度できないといけない

ことを念頭に置いて、開業するかどうかを決めていただくのがよいと思います。

 


【この記事を書いた人】

photo 西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師の国家資格を持ち、病気の治療、予防のお手伝いをしています。

たった一人でも、「治療に来てよかった」と満足していただき、 人生を豊かに過ごすお手伝いをすることを理念としております。
お気づきの点や質問等ございましたら,どうぞご遠慮なくお聞かせくださいませ。

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