森川すいめい
「特養でも自分らしく生きられる」の話が印象に残りました。
なぜ神津島の特養のひとたちは明るくて元気なのか。
この特養にいるひとたちは、全員、誰がどこに住んでいてどういう人生を過ごしてきたかがよく把握されていたそうです。
通常、病歴はあっても生活歴は書かれていないことが多いです。
そのひとがどういう人生を過ごし、何に価値をもっていて、どのようにいきたいのかを知っている職員は少ないと思います。
特養の食事、排泄、入浴などの仕事が忙しくて、ひとりひとりの人生の話を聞く時間がないからです。
神津島の特養では、互いにみんな知っていて、互いの人間関係を維持できています。
また、神津島では死ぬ場合、特養にいても死ぬときは家に戻ってみんなに見守られて死ぬそうです。
それをほかのお年寄りに隠すようなことはせず、みんなで見送ります。
みんなが互いの良いところも悪いところもよく知っていて、その中で決して孤立しない。
そんな人間関係からこの元気な特養がつくられたのだと思いました。