日本講演新聞の記事からのご紹介です。
※ 2020年から、新聞の名前が「宮崎中央新聞」から「日本講演新聞」に変わりました。
宮崎中央新聞社のサイト
https://miya-chu.jp/
本新聞に紹介されていた、元リッツカールトン日本支社長で人とホスピタリティ研究所所長の高野登さんの「サービスからホスピタリティへ」の話が印象に残りました。
「サービス」と「ホスピタリティ」という言葉があります。
どちらもお客様のために何かをするというイメージですが、どう違うか分かりますか?
高野さんは「お客様の何に働きかけるか」が決定的に違うとおっしゃっています。
物や価格など表面的な部分でお客様を満足させようとするのが「サービス」です。
一方、その人が持つ感性に訴えるのが「ホスピタリティ」です。
本紙では、ホテルに宿泊されるお客様がホテル内のレストランを利用する際のナイフとフォークの準備の話が例として紹介されていました。
そのお客様は左利きで「通常の配置では使いづらい」と思って自分でナイフとフォークを入れ替えて食事をしたそうです。
また別の日にそのお客様が同じホテル、同じレストランを利用した際、ウエイターさんがこう言いました。
「前回の様子を拝見いたしまして、勝手ながらナイフとフォークの配置を入れ替えさせていただきましたが、よろしいでしょうか?」
それを聞いたお客様は、驚きながらも「悪いねえ」と言ってニコッと笑い、食事を楽しんで帰って行かれたそうです。
このお客様にとっては、「自分のことを覚えていて気にかけてくれた」ということがとても嬉しかったのです。
こうした「ホスピタリティ」を提供し、お客様に感動していただくためには、お客様の一挙一動すべてを情報源にして、そのお客様の心に響くことは何かを考え抜く必要があります。
そのうえで、「何をするか」「どういう雰囲気でその場にいるか」「どのくらいの距離感をとるか」といったことを判断し行動していくことが大事だという話でした。
鍼灸マッサージの接客、施術においても、「ホスピタリティ」は欠かせません。
患者さんが何を求めているか
そのためにはどうしたらいいか
いつもと違う雰囲気だが、どう問いかけるか
たんなる「サービス」ではなく、「ホスピタリティ」が提供できるよう、研鑽していきたいと思います。