「神田橋條治 医学部講義(創元社)」からのご紹介です。
神田橋先生が本書で説明していたプラセボエフェクトの話が印象に残りました。
プラセボは、治療者と患者の絆によって発動されるようです。
この先生に任せてみようかなという信頼感が治療に役立つのですが、その際に「共に」というのがポイントだそうです。
治療者に任せるのではなく、患者さんと共に治療していく。
患者さんと目の位置を合わせる、患者さんの手を患部に誘導するといった、安心、委ねるという雰囲気を作って信頼を高めながら、患者さんにも治療に参加してもらう。
○○という薬にはこんな副作用があると言われているけど、あるかどうかよく見ていて下さい。
この薬の増減をここからここの間で、自分でやってみて結果を教えてください。
治療者が一方的に薬を処方して飲んでもらうのではなく、患者さんにもその経過や結果に関与してもらって「共に」治療していく。
その関係がプラセボ効果につながっていくのだと思いました。

神田橋條治 医学部講義