日本初「薬やめる科」の医師が教える 薬の9割はやめられる(SBクリエイティブ)
松田史彦
薬漬け医療に一石を投じる内容で興味深く読みました。
本書は「薬は危険だからやめましょう」ではなく、「危険性をもっと知って、必要なときは上手に使いましょう。必要でないなら使うのをやめましょう」と言っており、薬とのうまい付き合い方が丁寧に説明されていました。
本書に出てくる医原病が実は死因の上位ではないかという話や、多剤併用している患者さんが多くの副作用に悩まされているという話はよく聞きます。
しかし、薬をやめることによる不安や恐怖があるため、やめられず続けてしまう。
そんな状態からいかに減薬していき、最終的に断薬を目指すのか、離脱症状や不安との向き合い方や代替療法のうまい活用方法などが分かりやすく紹介されていて勉強になりました。
5章の「心と意識と言葉の世界」の中で、ストレスの原因は「言葉によって作った意識」というくだりがありますが、自分がもつ「感情」という心の言葉が潜在意識に働きかけて気を病んで病気になっていくという説明は共感できました。
最後に書かれている「未来の医療」の姿が実現するような社会になったら素晴らしいと思います。

日本初「薬やめる科」の医師が教える 薬の9割はやめられる