神様がくれたピンクの靴(あさ出版)
佐藤和夫
足が変形した高齢者のためのあゆみシューズを作った徳武産業の物語です。
あゆみシューズを作った想いが伝わってきて思わず熱くなった。もちろん最初からうまくいったのではありません。
靴底が高い在庫の1300足を全て廃棄処分にしたり、靴底がはがれるというクレームに対して全商品を回収したり、といった対応は素晴らしかったと思います。
稲盛和夫氏(京セラ創業者)の
「経営者が決断するときは、損か得かで決めてはいけません。正しいか、正しくないかを軸にして決めるのです。損得の経営は、目先は儲けが出ても、いずれ破滅します。正しい経営をする企業だけが生き残っていくのです」
という言葉を胸に刻んだ誠心誠意の対応はなかなかできるものではないと思います。
お客様から寄せられたサンキューレターの内容も実感がこもっていてよかったです。
どれだけ価値のある商品をつくったかはこの手紙の内容をみればよく分かります。
お客様のために履き心地のよい靴を作るという使命感が伝わってきました。
他にも、以前に時間的猶予を設けて取引を打ち切った取引先に発注を依頼することで恩返しをしたり、片方販売や左右サイズ違い販売を特許として独占せずもにいいことを世の中に広めるという、損得ではなく善悪の判断をしたり、本当に世の中の役に立つことを考えている会社だと思います。
こんな素晴らしい企業があることは日本の誇りだと思いました。
神様がくれたピンクの靴