患者さんが自宅で転倒した話

数ヶ月前に、私が訪問マッサージに伺っている90代の患者さんのお宅であった出来事です。

その日は私は休みだったのですが、患者さんの娘さんから電話がかかってきました。
(休みの日はお店の電話を携帯電話に転送しています)

「母が家で転んでしまいました。幸い頭を打ったり出血したりといったことはなく、救急車を呼ぶほどではなさそうなのですが、私一人では母を起こせないのです。申し訳ないのですが、もし来られたら助けていただけないでしょうか?」

 

 

実は、この患者さんは三ヶ月くらい前にも同じようなことがありました。

以前から家の中では歩行器を使っているのですが、紅茶を飲もうとしてちょっと移動しようとしたら、尻もちをついてしまったのです。

その時はちょうどヘルパーさんが来る日で、ヘルパーさんに助けてもらってイスに座らせることができました。

この話を私が施術中に聴いた時、患者さんから

「また家で転んでしまったりして起きられなくなったら、佐藤さんにも連絡して大丈夫ですか?」

と言われたので、

『大丈夫ですよ。その時の私の状況によって、すぐに行けるかは分かりませんが、連絡してもらうのは問題ないですよ』

と返答しました。

その後、家に帰ってから看護師の妻と、どうしたら負担が少なく体を起こせるか、ちょっと練習しました。

そして今回、まさに同じような出来事が起こりました。

 

 

『今、家にいますので、準備して15分後くらいに伺いますね』

患者さんの娘さんに返答して、患者さんのお宅に向かいました。

転んだ時の状況や、頭を打っていないか、手足を動かせるか、深呼吸して肋骨が痛くないか、脈拍は正常か、痛いところはどこか、などを確認し、動かしても問題なさそうだったので、患者さんの後ろに回り込んで体を起こしてイスに座ってもらいました。

イスに座って少し休憩したあと、軽く足踏みしたり、肩を動かしてもらいましたが、大丈夫そうでした。

その後、いつものダイニングテーブルまで歩行器で歩いてもらいましたが、転んだときにぶつけた腰とお尻がちょっと痛い程度で、問題なく歩けました。

 

 

念のため、訪問診療の先生とケアマネージャさんに連絡するよう伝えて私は帰りました。

後日、訪問マッサージに伺いましたが、転んだときにぶつけたところが痛いくらいで大きな問題はなく、訪問診療にいらした先生にも大丈夫と言われたとのことでした。

大きな怪我をしなくて本当によかったです。

こちらの患者さんは、訪問診療、訪問ヘルパー、訪問リハビリ、訪問マッサージをしながら、娘さんと一緒に暮らしています。

ちなみに、最近では夜中に転倒した時のことも考慮して、訪問看護のサービスも追加されることになりました。

色々な医療、介護サービスを利用していても、対応しきれないこともあります。

そんな時、周囲の色々な人たちがサポートしながら、自宅での生活を続けていけたらいいなと思いました。

 

 


【この記事を書いた人】

photo 西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師の国家資格を持ち、病気の治療、予防のお手伝いをしています。

たった一人でも、「治療に来てよかった」と満足していただき、 人生を豊かに過ごすお手伝いをすることを理念としております。
お気づきの点や質問等ございましたら,どうぞご遠慮なくお聞かせくださいませ。

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