上に立つ者の度量 貞観政要が教える究極のマネジメント思考 (田口佳史 著)
PHP研究所
貞観政要(じょうがんせいよう)は中国の唐の時代に編纂された言行録です。
会社の社長や組織のリーダーを務めるのに必要な帝王学の要素が満載の一冊です。
貞観政要に徳のある人間になる方法として「九徳」があげられていますので、紹介いたします。
① 寛にして栗── 寛大な性格でありながら、細部をないがしろにしない厳格さを持ち合わせている。
② 柔にして立── いつも柔和で穏やかだが、ここぞというときはテキパキと物事を進める。
③ 愿にして恭── 自分に対しても人に対しても厳しいが、けっして横柄な態度はとらない。
④ 乱にして敬── 何か問題が起きたときは自らが先頭に立って事を治める能力があるが、ふだんはけっして目立たず慎み深い。
⑤ 擾にして毅── いつも静かでおとなしいが、芯がしっかりしていて、自分の信念に反することには毅然とした態度をとる。
⑥ 直にして温── 歯に衣着せず率直にものを言うが、人当たりは温和で、相手に威圧感を与えない。
⑦ 簡にして廉── 大まかに物事を捉えるが、杜撰ではなく筋道がしっかりしている。
⑧ 剛にして塞── 意志が強く剛毅な性格だが、押し付けがましくなく思慮深い。
⑨ 彊にして義── 実行力があるが、暴走せずに道理をわきまえて行動する。
これらの全てを満たすのはなかなか難しいですが、現代にも通じる考え方だと思います。

上に立つ者の度量 『貞観政要』が教える究極のマネジメント思考