その島のひとたちは、ひとの話をきかない(青土社)
精神科医、「自殺希少地域」を行く
森川すいめい
「お互いによく出会っているから助けられる」の話が印象に残りました。
旧海部町のひとは、他の地域に比べると「特別支援学級反対」と考えるひとが多いそうです。
なぜか。
障がいをもつひととそうでないひとを子どもの頃から分けると、お互いにお互いのことがよく分からなくなってしまう。
すると、どういった場面で助けが必要なのか、分からない。
それを自然とできるようになるためには日常の中にお互いがいなければならないと考えているからです。
最も重要なことはお互いに助け合えることで、困っているひとがいたら、困っている部分を助ける。
その当たり前のことができないのはお互いをよく知らないからです。
旧海部町のひとたちは、お互いによく出会っていて、どういう手助けがあったらいいのか、何をしなくてもいいのかをよく知っています。
ひとは多様であることを受け入れ、違う意見や考え方があってもそれを排除しない。
それだけでもっと解決できることが多くあると思いました。
その島のひとたちは、ひとの話をきかない――精神科医、「自殺希少地域」を行く――