ずっと健康だと思ってた。 34歳脳こうそく克服記
作:有田奈央 絵:麻生夕貴
著者の実体験をもとに、脳梗塞で入院したらどうなるのかが漫画のようなレイアウトで具体的に描かれているため読みやすかったです。特に妹のユウキさんの献身ぶりは素晴らしかったと思います。
動かない体のこと、お金のこと、これからの仕事のこと、今後の生活のことなどを考えた時の、イライラや不安、寂しさなどがうまく表現されていました。
いつの間にか人の温かさや優しさが当たり前になっていた
家族だから、友だちだから、看護士さんだから
こうしてくれるのは当然なんてことは絶対なくて
できないことばかりに目を向けて考えるとやる気も失せて落ち込んでしまう。
できるようになったことに目を向けるようにする大切さ。
病気になることで初めて気付くこともある。老若男女を問わず多くの人に読んでほしいと思いました。
作者は脳梗塞の前兆があるにも関わらず、すぐに救急車を呼ばず、体調が悪いと思って12時間も寝ていたそうです。
脳梗塞は、死亡または重大な後遺症をもたらす病気のため、早期発見、早期治療が大事です。
本書で、脳梗塞の前兆を確かめる簡単なチェック方法である「FAST」という話がありましたので紹介します。
F:Face … 顔の麻痺のこと。
A:Arm … 腕の麻痺のこと。
S:Speech … 言葉の障害。
T:Time … 時間。すぐに受診。
これらの症状が見られたら、すぐに救急車を呼ぶ。
ちなみに、救急車を呼ぶべきかどうか分からない場合には、「#7119」という電話番号で24時間相談することができるそうです。
参考:東京消防庁 救急相談センター
http://www.tfd.metro.tokyo.jp/lfe/kyuu-adv/soudan-center.htm