前回のブログに続いて、同行援護従業者研修に関する話です。
2回目は同行援護の研修の内容を紹介いたします。
まずは基本的な概要をテキストを用いて座学で学習しました。
視覚障害のある方が講師としていらしていて、ご自身の経験を元にどんな時に困ったか、どうしてほしかったかなどを話して下さいました。
実際に講師の方が使っている文字を大きくする機器の画像を見せてもらったり、副音声つきの映画も聴かせていただきました。
座学のあとの演習では、受講者同士がペアを組んで、一方がアイマスクをつけて歩行補助具の白い杖(白杖)を持った当事者役、もう一方がガイド役となり、外を歩きました。
白杖には3つの役割があります。
①周囲に視覚障害であることを認知してもらうこと
②情報を取得すること
③障害物を回避すること
自分がアイマスクをつけて歩いてみることで、視覚が見えないとどんな状態になるのかを経験することは、ガイドをする上で必要なことだと思います。
自分が当事者役をした際に感じたことは以下の通りです。
・歩道のちょっとした段差や、砂利道などが分からずつまずきそうになる
・今どのあたりを歩いていて、近くには何があるのかほとんど分からない
・階段は昇りなのか降りなのか、どれくらいの幅があるのか、どれくらい続くのか、どこで終わるのかなど、確認してからでないと進むのが怖い
・白杖があることで目の前にある障害物が分かるのでとても便利
・イスに座ってと言われても、イスがどの方向を向いているのか、どのくらいの高さか、背もたれはあるのか、など触ってみないと分からない
・目が見えない分、聴覚(音)や嗅覚(匂い)が敏感になる
演習の途中、アイマスクではなく、弱視用の自作メガネをかけてみたのですが、光が少し見えると手がかりが増え、見え方も少し変わります。
実際に自分が当事者の経験をすることで、一緒に歩いているガイドによる適切な案内や情報提供がいかに重要かよく分かりました。
エスカレータの練習もしたのですが、階段とはまた異なる怖さがありました。
動いているものに乗り込むというのは、足を踏み出す位置や方向によって、足場が不安定になってしまいます。
エスカレータから降りる際も、どこで終わるのか分からないとつまずきそうになりました。
移動以外でも、
・食事のメニューや値段、注文した内容、置いてある場所の説明
・お店の商品の大きさや形、色、値段の説明
・トイレの便器やレバー、非常ボタン、洗面台の位置の説明
など、伝えることは本当にたくさんありました。
今回、同行援護研修で学んだことは視覚障害者と接する時だけでなく、ご年配の患者さんや歩行が不安定な患者さんに対しても役に立つと思いました。
同行援護従業者研修で学んだことを生かして、当院をご利用の視覚障害がある患者さんや、ご縁があった視覚障害者の方が安心感を持ってご満足いただけるサービスを提供したいです。