先日、同行援護従業者一般課程(視覚障害者ガイドヘルパー)の研修に行ってきました。
当院には数名、視覚障害がある患者さんが来院しています。
院内で個室やトイレにご案内したり、お帰りの際に都電の停留所やご自宅前までお送りしているのですが、そのご案内をスムーズにするためにどんな配慮が必要なのかを勉強しようと思ったのが、同行援護従業者の研修に行った理由です。
2回に分けて、同行援護の紹介をしたいと思います。
1回目は同行援護従業者の仕事の内容、視覚障害者の特性を紹介していきます。
同行援護(視覚障害者ガイドヘルパー)とは、視覚障害により移動に著しい困難を有する障害者を支援する仕事です。
同行援護従業者の業務には、大きく3つの仕事があります。
①移動支援
②情報提供
③代読・代筆
買い物、通院、趣味のお出かけなど、外出時に安全な移動支援を行いながら、どの商品を買うか、どのサービスを利用するかなどの判断、選択を行うための的確な情報提供を行い、必要に応じて書類の代読や代筆を行います。
全国に視覚障害者は約31.5万人いると言われています。(厚生労働省「平成23年生活のしずらさなどに関する調査」結果より)
なお、平成21年の日本眼科医会の報告では視覚障害者は164万人いると推計されています。
視覚障害の定義が、国の法律と眼科医会で異なるため、人数差が出ています。
視覚障害といっても、全盲や弱視、視野欠損など見え方は様々で、一人ひとり障害の特性が異なります。
全く見えない、周囲が見えにくい、真ん中が見えにくい、まぶしさが強い、白く濁ったように見えるなど、見え方の違いは多様です。
また、幼少期から見えにくい人がいる反面、人生の途中に事故や病気で見えなくなる人もいます。
視覚障害者の障害特性を理解したうえで、安全かつ快適な移動の支援や、的確かつ客観的な視覚情報の提供が求められます。
病気や事故、加齢などにより、誰でも視覚障害者になる可能性があります。
「人が受ける情報の8割は視覚」と言われており、視覚が障害されると外出が困難となり、引きこもりやうつ病になりやすくなるため、同行援護の仕事は視覚障害者にとって極めて重要な意義があると考えています。
次回は研修の内容を紹介します。