匠の技法に学ぶ実践・家族面接(日本評論社)
東 豊 , 水谷 久康, 若島 孔文 , 長谷川 啓三
家族療法の専門家の3人が同一事例を構造的アプローチ、ソリューションフォーカストアプローチ、MRIアプローチとそれぞれの得意な手法でカウンセリングを行い、さらにあとから合同ディスカッションを行うことで、どんな展開を想定していたのか、どんな意図でその質問をしたのか、を余すことなく語った一冊です。
本書は非常に楽しめました。
どの手法が優れているというわけではなく、
「どの手法を用いてもクライアントを変化させるきっかけを与えることができる」
と示していたのは興味深かったです。
ディスカッションの場面も、他のセラピストが専門家の視点での疑問点を投げかけているところが新鮮でした。
特に、なぜその質問をしたのか、その後にどんな展開を期待していのか、といった話は、通常のカウンセリングではなかなか聞くことができないので、勉強になりました。
また、面接の記録映像を日本評論社のHPから見ることができるのもありがたかったです。
文章で読んだあと、改めて映像を見ることで、間の取り方やノンバーバルコミュニケーションを学ぶことができました。
専門家の先生方は大変だと思いますが、また本書のような同一事例を異なる手法でアプローチする取り組みを読んでみたいです。
今回の
「どの手法を用いてもクライアントを変化させるきっかけを与えることができる」
という話は鍼灸マッサージでも同じだと思うので、次回はそのことを書きます。
匠の技法に学ぶ実践・家族面接