誰もやらないのなら医者の私がやります

誰もやらないのなら医者の私がやります(平成出版)
島田潔、鈴木陽一、藤井秀樹

介護保険制度がなく、在宅医療が普及していなかった時代に、個人の家を回ることから始めて在宅医療に貢献してきた医師の物語。

多くの在宅医療業者が老人ホームなどの施設を相手にする中、著者の診療所は老人ホームからの依頼は断り、困っている一般家庭に向けて在宅医療を提供する方針を掲げていたというのは、採算は二の次で本当に地域の住人の役に立ちたいと考えているのだと思います。

それでも地域医療のことを考えて最終的に老人ホームからの依頼も受けるようになりましたが、老人ホームに入っている患者さんは経済的には恵まれているけれど、家族には恵まれなかった人たちだという気づきは、一般家庭を多く見てきた著者たちだからいえることだと思いました。

以下に私が印象に残ったこと、共感できたことを抜粋します。

 

・病診連携あっての在宅医療という考えから、対象地域を広げないというのも、地域に即した在宅医療の形であり共感できました。

・病院の勤務医と違い、患者さんの生活が見えるということを生かして、家族背景や生活に即したアドバイスができることは在宅医療の大きなメリットだと思います。

・介護保険の功罪として、学校のようにデイサービスや訪問看護のスケジュールが入って忙しい高齢者が増えています。人間は満たされると感謝をしなくなり窮屈に感じるものなので、サービスはちょっと足りないくらいがちょうどよいというのは納得できました。

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