腰痛探検家 (集英社文庫)
高野 秀行著
真剣に腰痛に悩む著者の体験談をまとめた話。
真剣に悩んでいるので笑っては申し訳ないのですが、様々な治療を試す著者の体験談がおもしろおかしくまとめられていて楽しめました。
色々な治療を受けた著者が治療師の先生を彼氏に例えたり、自分自身を会社に置き換えてリストラ話に例えたりと、非常に分かりやすく読みやすかったです。
実家の母から腰痛に温泉がいいと薦められ、「私の腰痛をなめているのか」と一喝したあと、カリスマ治療師にも同じことを言われる場面や、医師に腹筋・背筋を鍛えるように言われて腹巻に人生を委ねようとする様子は抱腹絶倒でした。
著者も述べていますが、「腰痛は辛いと思えば思うほど存在感を増す」というのは共感できました。
だからこそ「何か心身に不都合が生じたときに自分をリセットできる場をもつ。そして、それを信じることが重要」という著者の意見は説得力があったと思います。
本書でも引用されている夏樹静子氏の「腰痛放浪記 椅子がこわい」だけでなく、戸澤洋二氏の「腰痛は脳の勘違いだった」でも同じようなことが述べられているので、腰痛に悩む人にオススメしいたい一冊です。