世界が注目する日本の介護
あおいけあ で見つけたじいちゃん・ばあちゃんとの向き合い方(講談社)
加藤 忠相、ひらまつ おさむ
できないことを強要せず、できること、やれそうなことを活かすための環境を整える。
本書は、あおいけあで実践されている「自立支援」という介護の仕事の根本に立ち返った内容が漫画形式で分かりやすく紹介されていて読みやすかったです。
お年寄りのできることや強みを見つけてうまくお声かけして、自分でできることは自分でやってもらい、職員はそれ見守りながら支援する。
みんながみんなうまくいくわけではないと思いますが、そんなあおいけあの介護の考え方が好きでした。
特に印象に残った内容を以下に抜粋します。
・認知症になると、徘徊や不潔行為、妄想などで大変というイメージがあるが、その元となる記憶障害や見当識障害などを出さないように支援することが大事。認知症のお年寄りが困ってさえいなければ、認知症があっても普通のお年寄りとして支援できる。
・介護を成功させるためには、アセスメントがどれだけ充実しているかが肝心。アセスメントというと、既往歴や、家族構成、介護の目標などが多いと思うが、本当に必要なのはその人が今までどうやって生きてきたのか、どんな仕事をしてきて何に誇りを持っているのか、何をすることが好きなのかといった生活歴である。特に、その方の存在意義や強みに着目するとよい人間関係が構築しやすくなる。
・多くの高齢者は歳をとってもただ世話になるだけじゃなく、誰かの役にたちたいと思っている。つまり、社会と関わりを持っていたいということ。地域の住民や子どもたちと交流することで、お年寄も地域の方にも喜ばれ、よりよい人間関係を築くきっかけになる。
あおいけあも、今の状態になるまでに、様々な苦労や失敗、試行錯誤を積み重ねてこられたのだと思います。
多くの医療、介護、福祉に関わる方に読んで頂きたい一冊でした。
世界が注目する日本の介護 あおいけあ で見つけた じいちゃん・ばあちゃんとの向き合い方 (介護ライブラリー)