先日いらした患者さんから、以前に別の院で鍼治療を受けた際、鍼を抜くときにすごく痛かったという話を伺いました。
鍼治療を行う場合、刺してすぐに抜く場合と、しばらく刺しっぱなしにしておいて、時間が経ってから抜く場合とがあります。
今回、患者さんがおっしゃっていたのは、
「しばらく刺しっぱなしにしておいて、時間が経ってから抜く場合」
の話でした。
この場合、鍼を抜くのは必ずしも鍼を刺した人とは限りません。
複数のスタッフで運営している場合、鍼を抜く仕事を新人鍼灸師にやらせたり、免許がない受付スタッフにやらせているという話を聞いたことがあります。
鍼を抜く際に、無理やり抜こうとしたり雑にやったりすると、痛みが出てしまい、せっかくの治療効果が減少してしまうこともあります。
新人鍼灸師の教育という側面ではやむを得ない面もありますが、患者さんとしてはできるだけ余計な痛みがない方が望ましいと思います。
ちなみに、今回の患者さんの話では受付スタッフが鍼を抜いていたそうです。
当院では、鍼を刺すのも抜くのも、全て私がやっています。
鍼を抜くときの余計な痛みが治療効果に影響すると考えているため、鍼を刺すときと同じくらい集中して鍼を抜きます。
患者さんに、姿勢を変えていただく際、
「え?さっき刺した鍼はもう抜いたのですか?」
と言われたことも何回もあります。
「鍼を刺された時はなんとなく分かったけれど、鍼を抜かれたのは全く分からなかった」
と言われることもよくあります。
鍼を抜くときに痛みがあったことにより、患者さんが鍼は痛いものだと考えてしまい、もう鍼治療はやりたいくないと思われてしまうこともあるかもしれません。
鍼を抜くという行為も治療行為の一環と考えて、丁寧に対処していきたいです。