声に出せ、音で覚えろ

「落語家のもの覚え」という書籍から感じたことを書きます。

落語家のもの覚え(ちくま文庫)
立川談四楼

本書は落語の入門から、前座、二つ目、真打、そして弟子を育てていくところまで、修業時代の思い出話や、苦労話などが語られています。

 

 

その中で、著者が入門時に、師匠から言われた言葉が印象に残りました。

「声に出せ、音で覚えろ」

これは頭の中で稽古するのではなく、声に出し自らの声を聞くことで記憶が蓄積し、リズムがついてくるという教えです。

 

 

自分の経験を振り返ってみて、これは鍼灸あん摩マッサージ指圧でも同じだと思いました。

似たような言い方をするなら、

「手を動かせ、指で覚えろ」

という感じでしょうか。

私は、鍼灸あん摩マッサージ指圧の仕事を始めたばかりの頃に「吉田流あん摩」というのを習っていました。

最初に吉田流あん摩のDVDを借りて何度も見たのですが、なかなか上達しませんでした。

始めのうちは、ただ映像を見ているだけでは全然身につかなかったです。

実際に人の体に触って、手や指を動かしながら、どこを、どんなリズムと加減で、どうやって触れていくのか、自分の体で体感しないと、上達しないと思います。

 

 

何度も何度も繰り返すことで、体に刻み込んでいきました。

それが少しずつできるようになってからDVDを見ると、最初は気づかなかったことに気づいたり、新しい発見がありました。

頭で考えるよりも体に刻み込んで覚えていく、というのは落語の修業と共通していると思いました。

 


落語家のもの覚え (ちくま文庫)

【この記事を書いた人】

photo 西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。
はり師・きゅう師・あんまマッサージ指圧師の国家資格を持ち、病気の治療、予防のお手伝いをしています。

たった一人でも、「治療に来てよかった」と満足していただき、 人生を豊かに過ごすお手伝いをすることを理念としております。
お気づきの点や質問等ございましたら,どうぞご遠慮なくお聞かせくださいませ。

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