「アレクサンダーテクニーク ある教師の思索」(幻冬舎)からのご紹介です。
Patrick J.Macdonald 細井史江 訳
本書は、幼少期からアレクサンダー自身にテクニークを学んだマクドナルドさん自身が、自身の勉強のために残した私的なメモや、教師からの質問に真摯に答えた内容になっています。
アレクサンダーテクニークとはなにか?
これを人に説明するのは非常に難しいと思うのですが、本書の中で分かりやすく説明されていたので、いくつかを抜粋しました。
アレクサンダーテクニークは、間違ったpostural behaviour(姿勢を伴う行動、振る舞い、習性)に気付き、それを抑制し、よいpostural behaviourに差し替える能力
さらに具体的にどんなことをしているか、と質問された場合には以下のように説明されていました。
誤った行動パターン(習性)を認識すること、それらをインヒビジョン(抑制)すること。
それらを打ち消すためにダイレクション(方向づけ)を与えること。
自分が実際にしていることに対して感覚はうそをついているかもしれないと認識すること。
単に姿勢という固定的なものを学ぶものではなく、「適切な体勢(姿勢)で行われる動き」を学ぶという考え方も重要だと思いました。
アレクサンダーテクニークはポジション(型、形、位置)を教えるのではない。
すべての普通のポジション(通常のすべての動きにおけるからだの体勢)における正しいコーディネーションを教えるのである。
アレクサンダーテクニークは「姿勢の規格化」と説明されることがあるが、「姿勢」にはあまり重きをおいていない。
私はむしろ「postural activity 適切な体勢(姿勢)で行われる動き」という言葉を使いたい。
それによって、「姿勢」という言葉からすぐに連想されるような固定的なかたちという発想から逃れたい。
アレクサンダー・テクニーク ある教師の思索(文庫改訂版)