良師は規矩(きく)を教える

「神田橋條治 医学部講義(創元社)」からのご紹介です。

神田橋先生の漢方の師匠が「良師は規矩(きく)を教える」という言葉があるとおっしゃっていたそうです。
「規矩(きく)を教える」の規矩とは物差しです。

師匠が弟子に知識を教えると、弟子はその知識をもって「ああ」と納得してそれをやる。
ところが、規矩を教えると、規矩というのは物差しだから、物差しを習った弟子は自分で色々なものを見て、「これがいいんじゃないか」、「これとこれを組み合わせてみようか」というような方法論を学ぶ。


そして、それを使って自分の知識や情報の世界を築き上げていく。最終的には、この方法論で自分の世界を築き上げて、そして師匠とは違う世界ができてくる。だけど、そこまではまだ弟子。


そして、その弟子の中のほんのわずかな人が、師匠から学んだ規矩を捨てて、自分が築き上げた世界から新しい規矩を作り出す。


新しい方法論を作るようになったときに、その弟子を出藍(しゅつらん)と言い、「出藍の誉れ」というのはその規矩を、方法論を超えることができた弟子のことです。

自分で発見できるようにしてあげること、自分で勝手にできるようにしてあげることが、つまり「規矩を教える」ということです。

手取り足取り、何でもやり方を教えてあげるというのが本当の指導ではないという考え方に共感できました。

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