現代の高齢化社会においては、一つの職種でできることには限界があり、多職種で連携して対応することが重要となっています。
そのため、高齢者が介護保険制度を利用する場合には、まず各地域にある地域包括支援センターが窓口となり、
・介護認定(介護が必要な状態かを役所の専門職員が判断)を行う
・介護認定後、介護サービスを利用するにあたりケアマネージャ(介護支援専門員)を選定
・一人ひとりに合った介護サービスを検討し、関係者でサービス担当者会議を行い情報を共有する
といった流れですすめていきます。
その際、ケアマネージャーが相談窓口、連絡、調整役を担って、
・医師、歯科医師、看護師、理学療法士、作業療法士などの医療職種
・介護福祉士、社会福祉士、福祉用具専門相談員、ヘルパーなどの介護職種
などの専門職が連携して対応を行いますが、他にも警察、民生委員、役所、保健所、そしてその方が住む地域社会との連携も必要となっていきます。
参考ページ:大阪市中央区在宅医療
https://www.city.osaka.lg.jp/chuo/cmsfiles/contents/0000426/426615/pannfu.jpg
しかし、現在、この介護保険の枠組みの中に、鍼灸マッサージ師は含まれていません。
鍼灸マッサージ師による訪問施術は、「介護保険」ではなく「医療保険」を使ったサービスだからです。(自由診療のケースもあります)
なお、理学療法士、作業療法士による訪問施術は、「介護保険」のサービスです。(一部医療保険もあります)
そのため、この多職種連携という中には鍼灸マッサージ師は登場しないことが多いのです。
参考ページ:
LIFULL 訪問マッサージと訪問リハビリの違い
https://kaigo.homes.co.jp/manual/homecare/zaitaku_service/visitmassage/
とはいえ、鍼灸マッサージ師も専門職として多職種連携の枠組みに参加し、患者さんの情報を共有する必要があると思います。
私が現在訪問で伺っている患者さんに対しては、何か気になる変化があった場合には、ケアマネージャさんとお互いに連絡を取り合うようにしています。
今後ますます高齢化が進む社会において、鍼灸マッサージ師としても多職種連携の役割を果たしていきたいと考えています。
#ちなみに、医師の往診は基本的に「医療保険」が適応されます(居宅療養管理指導は介護保険)
参考ページ:
京都大原記念病院グループ 往診は介護保険?介護保険が適応になる居宅療養管理指導とは
https://kyotoohara.or.jp/medical/oharazaitaku/blog/5180