ヒトはそれを『発達障害』と名づけました
筑波大学DACセンター (監修), 佐々木銀河 (編集), ダックス (著)
「発達障害」という言葉について、具体的な3つタイプ(ASD、ADHD、LD)を紹介するとともに、どんなことに困っているのか、どうしてくれたら助かるのかが漫画形式になっていて、読みやすい言葉で解説されていました。
本書の著者は発達障害の当事者であり、それを漫画で伝えたいと広報に携わっているとのことで、素晴らしい活動だと思いました。
発達障害を「個性」と捉えるのか、「障害」と捉えるのか、とても難しい問題だと思います。
さらに、グレーゾーンという言葉もあり、今まで周囲のサポートやちょっとした工夫で乗り越えられたことでも、環境が変わることで対応できなくなってから自分の特性に気付くこともあります。
どこまでが特性で、どこからが障害なのか、それは現在困っているかどうか、なんとかやっていけるかどうかでも変わってくるものだと思います。
そのため、大切なのはまず「自分が何かしらの発達特性があるのかも」と認識すること。学校の先生や周囲の大人からの指摘も有効。
どうしても「障害」という言葉だと大袈裟に捉えてしまって、それを認めたがらないケースもあります。
認識したら、周囲に「得意」、「苦手」、「補助」の3つのことを伝えること。(具体的には以下の3つ)場合によっては医師の診断書があると受け入れやすいと思います。
・得意だったり興味や関心のあること
・発達の特性や苦手なこと
・周りの人にしてもらえると助かること
発達障害という言葉を知っている人はたくさんいると思いますが、具体的に何に困っているか、何が苦手なのかなど、どんな特性があるのかを知らない人も多いと思うので、まずは知ってもらうという意味で本書は役に立つと思います。
できれば、学校教育としても組み込まれれば発達障害への理解が深まると思うので、広報として頑張ってほしいです。
ヒトはそれを『発達障害』と名づけました