2022年2月~4月の間、2ヶ月かけて「福祉用具専門相談員」という資格を取得する研修に行ってきました。
今回は、2回に分けて「福祉用具専門相談員」の話をしたいと思います。
1回目は福祉用具の概要や資格取得を考えた経緯を紹介していきます。
「福祉用具」とは、車いすや電動ベッド、歩行器、ポータブルトイレなどの介護用品のことです。
また、手すりを取り付けたり、段差を解消したり、扉を引き戸へ変えたりする住環境を整備することも含まれます。
福祉用具は介護保険サービスの一部として利用でき、福祉用具を上手に利用することで、高齢者や障害がある方の自立支援や介護者の負担軽減に役立ちます。
参考:一般社団法人日本福祉用具供給協会
https://www.fukushiyogu.or.jp/yougunohi/dona.html
私は、はり・きゅう・マッサージ師なので、「福祉用具」とは直接ご縁はありませんでした。
ところが、訪問施術を行っていると
◆腰が痛くてベッドから起き上がることができない
◆トイレまで歩いて移動するのが大変
◆杖を買ったが上手に使えない
といった状況に遭遇することがたびたびありました。
体の痛みや動きにくさが、はり・きゅう・マッサージで改善されれば一番よいのですが、持病があったりお年を重ねていくと改善することは難しくなっていきます。
それでも患者さんができるだけ自分の力で何とかできるようにしたり、介護する人が少しでも楽になるようなサポートができればと考えていたところ、様々な福祉用具を取り入れている事例を見ました。
上記の例の対応として、
◆腰が痛くてベッドから起き上がることができない
→電動ベッドを導入し、背上げをサポートする。高さも調整できるので介護する人も楽。
介助用ベルトを装着する。
◆トイレまで歩いて移動するのが大変
→トイレまでの動線に手すりをつける。
ポータブルトイレを置く。
自宅用の歩行器や歩行車を導入する。
◆杖を買ったが上手に使えない
→杖の使い方を教える。
杖ではなく歩行器や歩行車を導入する。
といった対応策が考えられます。
はり・きゅう・マッサージとはまた別の方法で日常生活を楽にしたり、安心・安全な移動ができたりと、疾病や加齢の影響による生活の不便さを軽減することができます。
実際に福祉用具を利用したくても、ケアマネージャさんに相談しにくい場合や、福祉用具にはどんなものがあってどんなことができるのかという知識がない場合もあります。
そんな時、
「介護保険のサービスでこういったものを導入すると少し楽になるかもしれません」
といった助言ができるといいなと思い、「福祉用具専門相談員」という資格を取得することを考えました。
本資格は都道府県知事の指定を受けた研修事業者が実施する「福祉用具専門相談員指定講習」を受講し、50時間のカリキュラムを修了する必要があります。
また、講習の最後に、習熟度を測るための修了評価テストが行われます。
私は無事修了テストに合格し、資格を取得いたしました。
すぐに役に立てるかは分かりませんが、学んだことを生かして患者さんが日常生活を楽に過ごせたり、人生を豊かに過ごすお手伝いができたらと考えています。