先日、「平均化訓練」の講座に参加しました。
①平均化訓練を体験することを目的とした講座と、②体験後に個別に平均化訓練を深める講座があり、両方とも参加したので、2回に分けて感じたことを書きます。
今回は2回目の講座について書いていきます。
今回も平均化体操と背骨を動かすことを中心とした講座でしたが、その内容が前回に比べてより深くなっていました。
(1)平均化体操
前回は、
「力で押しあって相手の姿勢を崩し、そこから自然な体の動きを受け入れていく」
だけだったのですが、今回は
「力の入れ具合に差をつけてみて、それで体の緊張具合や平均化した筋肉がどう変わるか観察する」
というものでした。
全力で押しあった場合、力を2段階に分けて押し合った場合、ただ触れ合って軽く押し合った場合、それぞれやってみました。
全力で押し合っても、軽く押し合っても、最終的には普段使われていない筋肉(私の場合は、左肩~脇の下)が緊張しました。
おそらく、軽く触れ合った場合だけをやっていたら、その変化は分からなかったと思います。
全力で押し合うことを先にやったから、軽く触れ合っても自分の体が変化することが分かり、練習すれば必ずしも全力で力を入れないとできないわけではないということが分かりました。
逆に、ある程度熟練してより細かいことに気付くには、全力でやるよりも、軽くやっていく方が効果的なのだと思います。
(2)背骨の運動
前回は、楷書体と呼ばれる基本の形だけを練習しました。
今回は、2つのことをやりました。
1)楷書体をやりながら背骨に触れる
私自身、患者さんへの施術で体に触れることをやっているので、体に触れながらやれば可動域が広がるのだろうということは分かっていました。
実際にやってみて思ったのは、本当に軽く触れるだけでも、かなり大きく可動域が変化するということです。
また、一度触れたあとは、触れられた場所への意識が残っているため、触れずに同じ動きをやっても同程度の可動域になります。
動きが緻密になると、的確なポイントに触れないと可動域が変化しにくいと思いますが、大雑把な動きなら、どんな触れ方をしても結構動きが変化しました。
案外、自分の背骨が使い切れていないのだなと自覚した経験でした。
2)楷書体の形を連続的に動かしていく行書体
連続して動かすことで、動きの連動の中で使えていない背骨や筋肉に意識を向けていくというものです。
これは結構難しかったです。
動く方に気をとられて、体の緊張や動かしにくい筋肉に気付くといったことまで考えられませんでした。
最後に、2回参加してみて思ったことをまとめてみます。
この講座は「いかに自分自身の体への気付きを高めていくか」がとても重要だということです。
人それぞれ使われていない筋肉、使いすぎて緊張している筋肉は違いますが、他人が見てもなかなか見つけることができません。
では自分自身なら気付けるのか?というと、それも簡単ではありませんでした。
「あれ?なんとなくここが緊張しているな」といったことに気付いていくことを積み重ねることで、少しずつ自分の体への感度を高めていき、それが体の使い方の変化に繋がっていくという感じです。
野口先生が著書で書いていますが、、、
平均化訓練は即効性は求めておらず、ゆっくり着実に変化していくこと、自分自身の気付きによって変わっていくことを重視しています。
今回の講座に参加して、自分自身の体に目を向けることで、新たな気づきを得て、それが患者さんの治療にも繋がっていくのだと思いました。
参考書籍
平均化訓練(春秋社)
野口 晴胤
平均化訓練