もう価格で闘わない(あさ出版)
坂本光司
価格競争をしていると、発注者から相見積もりを求められ、安さで受注が決まってしまいます。
とはいっても、いきなり価格競争や下請けから脱却できるわけではないので、少しずつ時間をかけて段階的に価格競争から変革していく必要があります。
本書は、「ブランディング」「ニッチ市場」「差別化」「いい会社」といった視点から、非価格経営を実現・成功させた24の企業の事例が解説されていて考えることが多い一冊でした。
より安くという発想は、受注量は確保できても利益が出ず、働く人の幸せに繋がりません。
非価格経営で勝負する場合、独自の製品を作る以外にも、接客やアフターサービス、短納期・小口化対応、困ったときの迅速対応など、小さなことを積み上げていくことでファンのような顧客を作っていくという考え方は勉強になりました。
個人的に特に印象に残った内容を以下に抜粋しました。
・1秒タオルのホットマン株式会社
上質な商品を作っても商品の魅力を伝える取り組みが不足していたことに気付き、「知っていただかないのは、存在していないのと同じ」と考えて、商品の価値を広め認知度を上げるプロモーションを推進する。
・決して「できない」と言わず難題にチャレンジし続ける株式会社清川メッキ工業
移り変わりの激しい業界で、常に次の案件を発掘してものにしていかなければ安定はない。そのため、常に新しい相談案件をこなしている状態をつくる必要がある。売上ではなく、相談件数、試作件数などを目標とした取り組みをしている。

もう価格で闘わない