最近は、心理的な要因やストレスが症状の発現の原因になることも多く、慢性的な疾患を抱えている患者さんが増えています。
病院や治療院へ行くと、いつから、どこが、どんなふうにつらくて、何に困っているのか、過去にどんな病気にかかって、今現在どんな治療をして、どんな薬を服用しているのか、何をすると緩解して、悪化するのか等、いわゆる医療的な病歴聴取を行います。
ただ、慢性疾患の場合には、なかなか症状が変わらずに苦しむケースも多いです。
その際、病歴聴取の一環として、BATHE法(バース法)という心理的側面へ働きかける技法があります。
引用文献:外来診療によく効くBATHE法(メディカルサイエンスインターナショナル)
BATHE法とは、まず患者のさまざまな背景(Background)と、それに対する感情(Affect)を聞き、そのなかで最も悩んでいること(Trouble)を抽出させ、どのように対処(Handling)しているのか尋ね、最後にその苦労や努力に対して共感(Empathy)を示す面接技法です。
B-Background(背景):最近、生活はいかがですか?
A-Affect(感情):それについてどう感じますか?
T-Trouble(問題):一番困っている状況は何ですか?
H-Handling(対処):どのように対応していますか?
E-Empathy(共感):それはあなたにとって、とても大変なことでしょう
BATHE法を使うことで、患者さんの感情、解釈、行動に焦点をあてることができ、患者さんとの関係を築いていくのに役立ちます。
うまく患者の反応を引き出すことができれば、これだけで症状軽減を期待できる治療的対話術でもあります。
もちろん、これだけうまくいくわけではないのですが、患者さんのつらさ、苦しさに寄り添う方法の一つとして、有用だと考えています。
患者さんが自分でできていることや、感じていることに気が付くことの手助けをする。
そんな関わり方をしながら、少しでも患者さんの苦痛を和らげることができたらいいなと思います。
外来診療によく効くBATHE法