ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座
粳間 剛 (著), 仙道 ますみ (イラスト)
最新の文献から痛みや認知機能の異常が起きるシステムを、マンガを交えながらわかりやすく解説した良書です。
私も鍼灸マッサージで痛み治療を行っていますが、そのヒントになる考え方が多く掲載されていて、とても勉強になりました。
痛みがストレスのセンサーになっていて、痛みを避ける行動を取ることの重要性がよく分かります。
ただ、「痛みの原因はストレス」というと患者さんは精神的なものと扱われたと思ってしまうので、ストレスが病気を悪化させるということを上手に伝える必要があると思いました。
治療効果を改善の方向へ上乗せするプラセボ反応が起きやすくなる以下の4つの条件は分かりやすかったです。
①自分が受ける治療・支援への期待
②医療者や支援者との良好な信頼関係(思いやりを感じる)
③病気を自分でコントロールできるという自信
④治療・支援を受けて良かったという経験(条件反射)
患者が医師の診察を受けたあとに回復するかどうかは、初診の際に医師がよく話を聞いてくれたと患者が感じるかどうかによることが明らかにされているという話も興味深かったです。
また、ストレス誘発鎮痛について、distraction(痛みから注意をそらす)が慢性疼痛の鎮痛効果に繋がるという説明も分かりやすかったです。
ほとんどの病気はストレスが大きく影響していて、注意・関心を痛み→ストレスに方向付けるのが大事です。
気にしないようにすると余計に気になるというカリギュラ効果の話も役に立ちました。
痛みを気にしないようにするには痛み以外の感覚に目を向ける必要があること。
五感に属さない内臓の感覚(内受容感覚)があり、空腹感、窒息感、残尿感、ドキドキ感、痛みなどをあらわしており、五感+内受容感覚を使ったレーズンや呼吸のエクササイズなどのマインドフルネスの訓練も参考になりました。
頭の中に注意が向いていると痛みのことを意識しやすくなってしまいます。
そのため、頭の外に注意を向ける、つまり五感+内受容感覚に注意を向けることで、外向きの注意になり、痛みから気をそらせる対象に気づきやすくなる。
では、distractionが起きやすくなるためにはどうするか。
視覚とカラダを動かしつつ、声出しをすることで言語のワーキングメモリが認知的多忙になりやすく、痛みに向けられる注意が減少する。
こうしたことを患者さんに上手に伝えていくのに本書はとても役に立つと思いました。

ココロとカラダの痛みのための邪道な心理療法養成講座




















