先日、
「漫才師に学ぶ伝えるための技法」
という講座を受講しましたので、今回はその話を紹介いたします。
参考サイト:東京理科大学 オープンカレッジ
https://web.my-class.jp/manabi-tus/asp-webapp/web/WWebKozaShosaiNyuryoku.do?kozaId=7792900
講師は、東京理科大学教授の井藤元 氏と、漫才師の木曽さんちゅう 氏です。
井藤 氏は、教育哲学が専門で、松竹芸能とコラボした「笑育」(漫才と教育の掛け合わせ)や毎日新聞社とコラボした「記者トレ」(伝える力の育成)、そのほか落語やミュージカルと教育を掛け合わせた表現プログラムを開発する活動をしています。
木曽さんちゅう 氏は、以前はWコロンというお笑いコンビで活動していて(相方はねづっち)、今は司会や講演会、お笑いなどピンで活動しています。
本講座では、漫才というお笑いの技術を生かして、相手にいかに伝えるか、ということを学んでいくことを目的としています。
講座は2日間で、1日目は主に「一 対 一」での伝え方、2日目は「一 対 多」での伝え方という構成でした。
まず1日目ですが、主に3つのことをやりました。
一つ目はOHカードというインスピレーションカードを使って、出てきたものを受け入れてつなげていく、ということをやりました。
OHカードは世界中で愛されているインスピレーションカードであり、現実と表象の世界を結ぶメタファーカードです。
引用サイト:OHカード・ジャパン
https://ohcardjapan.thebase.in/
ランダムに脈絡のないOHカードが表示される中、3人一組となって一人3分くらいでストーリーを作り、次の人は前の人の話を生かしながら新しいストーリをつないでいくというものです。
ここで求められているのは、相手が受け取りやすい球を投げること、否定しないこと、アイディアを受け入れてそれに乗っかるということでした。
一番まずいのは何も話をしないことで、意味不明なOHカードが出てきても、想像力を生かして何でもいいから話をつくる、という力が必要となります。
私の時は木にロープが巻き付いているOHカードが出てきましたが、前の人の話を生かしつつ、なんとか次の人へつなぐことができました。
二つ目は「偏愛マップ」という、自分の好きなものをできるだけ具体的にひたすら紙に書くということをやりました。
これは初対面の人と仲良くなる方法で、書いたあとは講座に参加しているメンバーとお互いの偏愛マップを交換して、5分間対話をしました。
これを2回やったのですが、
1回目はフルートを習っている方と音楽の話をしたり、猫の動画の話をしました。
2回目は相撲の大の里の話や、野球の話をしました。
対人関係における会話のきっかけは、相手との接点を見つけることで、接点があれば距離を縮めやすくなります。
接点を増やすキーワードとして、「同感」と「共感」というキーワードが出てきました。
自分も好きで相手の意見や考えにそのまま賛成するのが「同感」、自分は興味がなくても相手の感情や考えを理解しようとするのが「共感」で、どちらでも相手との会話のきっかけになります。
三つ目にやったのは「自分自身を知る」ということです。
歌舞伎界の用語で「仁」(ニン)という言葉があり、その人らしさを意味しています。
つまり、自分らしさを知ってそれを磨くのが重要だという話です。
自分らしさを知る方法として、「ジョハリの窓」を使って、自分が知っている自分と、自分が知らない自分を知るためのワークをやりました。
参考サイト:kaonabi ジョハリの窓とは?【わかりやすく解説】具体例、ワーク、4つの窓
https://www.kaonavi.jp/dictionary/johari/
初対面の相手5人と組んで、その人がどんな風に見えるのかを順番に伝えていきました。
その結果、自分の知らない側面にも気付くことができるということでした。
2日目も3つのことをやりました。
一つ目がグループトークを盛り上げる、というワークです。
木曾さんちゅう氏が司会役で、あるテーマに従って5人がそれぞれ話をする、という内容でした。
私の時のテーマは「夏休みの旅行」でした。
自分自身は話を振られる側だったので聞かれたことに答えるだけでよかったのですが、司会役は色々なことを考える必要があります。
・できるだけメンバー全員に等しく話しかけて話題に入りやすくする
・挙手や拍手をうまく利用する
・横のつながりを作って勝手に話が広がるような工夫をする
といったコツを教えてもらいました。
二つ目はプレゼンの極意として「食レポ」をやりました。
これは、各自が何かしらの食べ物を持ち寄り、それを見ている人たちに伝えるというものです。
・最後まで聞いてもらうためにキラーフレーズを入れる
・味以外の五感も生かして伝える
・言葉以外の表現(表情、身振り手振り、声のトーン、視線など)もうまく使う
・伝えたいことの優先順位を決めて詰め込み過ぎない
といったコツを教わってやってみました。
もちろん初めての経験だったのであまりうまくできませんでしたが、楽しめました。
最後は木曾さんちゅう氏と漫才をやりました。
あらかじめ台本があったのですが、行きたい場所や、その理由、ボケるところなどは各自で考えることになっていました。
これも初めての経験でしたが、相手と呼吸を合わせたり、間をとったりということを即興でやるのは難しかったです。
さて、講座全体の感想ですが、普段あまりやらないことばかりだったので新鮮でした。
普段の鍼灸マッサージ師としての私の仕事は「伝える」よりも「聴く」ことの方が多いので、伝えることについて改めて考えるきっかけになりました。
今後の臨床の経験に活かしていけたらいいなと思います。








西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。