経営の失敗学
菅野寛 (著)
どうしたら成功するかのを定義するのはとても難しいので、これをやれば失敗するということを知ることで、気を付けるべきことを学ぶ一冊でした。
どうしたら成功するか、それが分かれば誰も苦労はしません。
ただ、成功しても次のヒット商品が出ず、市場がどんどん縮小して、事業を撤退することになればこれは成功とはいえません。
「持続的に利益が出ており、成長のための再投資や戦略変更のための投資が持続的に可能な事業である」
という著者の成功の定義は分かりやすかったですが、この「持続的」というのがとても難しいのです。
他者と同じことや今までの自社と同じことをやっていても成功せず(同質化)、今まで違うことをやっても成功しません。(異質化)
同質化では、差別性のない商品となって価格競争に陥り利益が減少する。
異質化では、慣れない不得意なことをやって失敗する。
松浦静山の剣術所「常静子剣談」から
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
という言葉が引用されていて、失敗するケースの共通性を模索して、様々な角度からなぜ失敗するのかが考察されていたのは読み応えがありました。
以下に参考になった内容を要約して抜粋。
・情報が不完全でも、不完全な部分は仮説でもよいので現時点の結論を常に思っておく必要がある。情報が不完全だから意思決定ができない、というのであればいつまで経っても決断できない
・戦略とは企業の将来像とそれを達成するための地図である。地図には目的地(企業としてどうありたいか)、ルート(どうやって目的地にたどりつくか)、視点(何を重要と考えるか)の3つの要素がある
・自社の提供価値は何かを理解し、その価値を実現するために取れる手段は何かを考えることが大切。ヤマハは楽器を販売しているだけでなく、楽器の演奏を楽しむための教育や、人前で演奏する楽しさを与える場を提供するという価値を生み出している
・競合とは、顧客が考えるほかの選択肢のこと。あなたの競合が誰かを決めるのはあなたではなく顧客。それを勘違いすると、思わぬ競合の存在に気付かず、適切な対応がとれなくなる
・あらゆる行為に関して、その行為から何かを学び、その「前」と「後」で自分の行動をいかにより良く変えるのかを意識するかどうかで成長スピードに差が出る。小さな行為でも付加価値があるかどうかを意識することが大事

経営の失敗学 (日本経済新聞出版)




西ヶ原四丁目治療院 院長の佐藤弘樹(さとうこうき)と申します。