先日、首から背中の痛みで来院された患者さん(以下Aさん)から聴いた言葉が印象に残ったので紹介します。
朝起きたら、首が痛くて動かせなかったAさん。
痛みが徐々に背中にも広がってきて、動くのも大変だったそうです。
痛めたその日に当院に来院して施術したところ、動かせる範囲が少し広がって痛みも減少しました。
そこから数日後、まだ半分くらい痛みが残っていることで再来院されました。
その際に、
「前回のあともまだ痛かったので、自分で”さすさす”していたら、少し良くなりました」
とおっしゃっていました。
この”さすさす”という言葉、皆さんは分かりますか?
私はすぐに、「さする」という言葉だなと分かりました。
ちなみに、手のひらや指を使って皮膚を軽くさすることをマッサージの専門用語では「軽擦」(けいさつ)と言って、これも立派な手技なのです。
そこで、Aさんに
『”さすさす”という言葉、かわいい言い方ですね』
と伝えました。すると、Aさんは
「いつも子どもが使っている言葉で、自然と出ちゃいました。子どもがかゆかったり、痛かったりするとき、”さすさす”してと言うので、家では普通に使っています」
とのこと。
どこか痛い時に、その場所をさすってあげるのはよくあることで、「痛いの痛いの飛んでいけー」と言いながらやったりしますよね。
実はこれ、「痛みの抑制系」と言われていて、触覚刺激により痛みの信号を伝わりにくくして、痛みを和らげる働きがあるのです。
参考サイト:
東大沢整形外科内科:「痛いの痛いの飛んでいけー」は実は効果的
https://www.higashiohsawa.jp/archives/6685
産経新聞:「痛いの飛んでけー」は本当に効く
https://www.sankei.com/article/20220210-YGO5WIPSDZLQBH4OIOYIODHR2M/
子どもの場合には、さらに心理的な安心感も伝わるため、効果が出やすいのだと思います。
患者さんにもこのことを伝えたら、「”さすさす”は本当に効くのですね」と笑っていました。
みなさんもどこか痛い場所があったら、まず”さすさす”して、痛みを和らげましょう。