「売る気がない」のになぜか自然と売れてしまう繁盛の法則(clover出版)
櫻木隆志
家電量販店やネットショッピングに負けず、街の電器屋さんが生き残るために何が必要なのか、実践を通して描かれた一冊です。
売り手は利益と効率ばかりを考え、買い手は価格と利便性ばかりを考える。
いつしか商売はたんなる「モノとお金の交換」になってしまった昨今、人の心や精神、笑顔など幸せ目的へのビジネスの転換の必要性が丁寧に説明されていた良書でした。
消費者が店を選ぶ理由として、
①価格や品ぞろえ
②サービス
③人
がありますが、本書では人に着目し、お客様との信頼や好感、愛着などの関係をいかに築いていくのかが分かりやすく説明されていました。
また、サイモン・シネック氏のWhy、How、Whatの関係性を説明したゴールデンサークルについて、動画でも見たことがありましたが、本書で改めて解説されるとWhyという信念や存在意義、仕事への想いをまず伝えることがいかに大切かよく分かりました。
今までのマーケティングの遷移として、
「モノ中心の時代」から「消費者の顧客満足中心の時代」へ、
さらに現在では「人や社会の幸せを考える人間中心の時代」
に変化しているというのも納得できるものでした。
損得や利益を目的とした「商売」ではなく、信頼や好意、愛着などの絆を大事にした「笑倍」への転換の例として、本書では街の電器屋さんのやり方を紹介していましが、他の業種でも十分に役に立つ内容だと思いました。
個人事業主の方や小規模店舗の方にぜひ読んで頂きたい一冊でした。
「売る気がない!」のになぜか自然と売れてしまう繁盛の法則