患者さんを施術した際、なかなかうまくいかなったり、改善が見られないことがよくあります。
そんな時、
・もっとこうすればよかったかな
・先にこっちを刺激した方がよかったかも
・今度はこのツボも使ってみようか
・あの刺激は余計だったかも
・もっとこんなことも患者さんに確認すればよかった
・自分の体に余計な力が入っていたな
など、様々なことを考えます。
考えはするものの、明確な答えは見つかりません。
先日、プロの演奏家の患者さんの施術をしている時、似たような話になりました。
「演奏がうまくできなかった時、もっとこうすればよかったとか、この部分で力が入ったとか、いろんな理由を後付けで考えてしまうんです」
「でも、それってあんまり意味がなくて、結局何が悪かったかはよく分からないんですよ」
このあとに、この患者さんが言った言葉が衝撃的でした。
「だったら、うまくできた時、どんな状態だったか、何がよかったのか考えてみる方がずっと役に立つと思うんです」
なるほど。
うまくできた時のことって、あんまり考えないことが多かったのかも。
例えば、
・患者さんのつらい気持ちに寄り添うことができた
・自分の体の力が抜けて患者さんの体の呼吸がしっかり感じられた
・アフターケアーの説明がうまく伝わった
・今回のケースでは、あの場所にこんな刺激をしたのがよかったと思う
・あえて短い時間で過剰な刺激を与えなかったのがよかった
自分なりにうまくできた時のことを考えると、うまくいかなかった時と同様に様々なことが考えられます。
もちろん本当にそれがよかったのか、は断言できないのですが、その積み重ねや患者さんの状態の変化を確認することで少しずつ分かってくることもあります。
実際、そうやって何がよくて何が悪いのかを積み重ねてきて今があるのですが、改めて
「うまくできた時、何がよかったのか考えてみる」
ということの重要性が認識できました。