先日、久々に「すがも巣ごもり寄席」に行ってきました。
「すがも巣ごもり寄席」は、若手の落語家さんが3人出演し、木戸銭1000円で落語が聴けます。(出演者は毎回異なります)
落語家さんは自分の持ちネタをお客様に披露して感触や反応を見る、お客さんはお手軽な料金で落語を楽しむことができる、という双方にとってお得なシステムになっています。
参考:スタジオフォー イベント案内
https://studiofour.sakura.ne.jp/event.html
私が観に行った日は
春風亭いっ休
三遊亭歌彦
柳亭信楽
の3名が出演しました。(敬称略)
演目は「寿限無」、「人情匙加減」、「百川」で、「寿限無」以外は初めて聴く話だったのですが、それぞれ楽しめました。
落語そのものも楽しいのですが、落語に入る前の小噺や世間話(これをマクラと言います)も楽しく、マクラでいかにお客さんを引き込むか、が大切なのです。
以下に簡単に感想を書きます。
「寿限無」を披露した春風亭いっ休さん。2023年11月に二つ目に昇進したばかりとのことでした。
(二つ目とは、落語の階級のことで、「前座見習い」→「前座」→「二ツ目」→「真打ち」があり、真打ちが最高位なので、その一つ手前です)
今回やった「寿限無」も台本通りの寿限無ではなく、少しずつ内容を変えたり、近所の子にも違う名前を付けたりと、今まで聴いたことがない内容で楽しめました。
長い名前を一気に何度も言う「寿限無」、他の場所で何度か聴いたことがありますが、演者によって内容がちょっと変わったり、表現方法が異なったりして何度聴いても楽しめるのが、落語の醍醐味だと思います。
「人情匙加減」をやった三遊亭歌彦さん。勢いと迫力があって、個人的には一番楽しめました。
病気になった芸者を見受けした医師の元益(げんえき)、芸者を使ってお金儲けをたくらむ加納屋、二人の間に入って仲裁しつつ元益を助けながら加納屋を懲らしめようとする大家の八兵衛、この3人の掛け合いが楽しく、南町奉行である大岡越前の裁きも素晴らしかったです。
「百川」をやった柳亭信楽さん。なんと師匠の元でこのネタを1回やっただけで、2回目がこの場ということでした。覚えたてのネタを気軽にお客さんに披露できるのも巣ごもり寄席のいいところです。
料亭に奉公することになった田舎者の百兵衛。初日にいきなりお客様の対応をすることになるのですが、田舎者ならではの訛りで、お客さんと言葉の掛け違いが発生します。そこからの話がおもしろくて、用事を承っても最後まで掛け違いが起き続けるという話でした。
落語は、お客さんを話に引き込むためのしぐさや間の取り方、声の大きさや抑揚など、私の仕事にとっても勉強になることが多いので、時間を見つけてまた聴きに行きたいです。