スジとツボの健康法
増永静人
経絡指圧を提唱した著者のツボと指圧に関する考え方を解説した本。
この本の中でもっとも参考になったのが、「判別性感覚」と「原始感覚」の話です。
大脳の新皮質が判断するのが「判別性感覚」。これは意識的な感覚だから交感神経が関与してからだは警戒的な状態となっています。
一方、生命活動と結びついて内臓や嗅覚、痛みに関係した感覚が「原始感覚」。これは副交感神経が関与して、からだがリラックスした状態となっています。
指圧をするときには「原始感覚」に働きかけるよう、無意識で本能的な動作で圧をかけるのが効果的というのは非常に勉強になりました。
よく巷のマッサージ店でやっているような、指が痛くなるくらい力を入れるやり方はツボにはまらず効果が少ないことがよく分かりました。
本書に、利休百首をもじって以下の言葉が紹介されています。
指圧をば 手先で押すと 思うなよ
肘から押せよ それが秘事なり
自然で自分のなるべくやりやすい楽な姿勢で、相手の気持ちの良いツボを押してあげることが指圧の極意ということです。
スジとツボの健康法―生命のひびき